与うれば 空(くう)となりぬる 我れもそも 空しきが故 盈つる功徳ぞ
照滴013
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与うれば 空(くう)となりぬる 我れもそも 空しきが故 盈つる功徳ぞ 形式
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要点
現代語訳
何かを与えれば、自分は空になる。空しいからこそ、功徳が満ちるのだ。 注釈
空しきが故::執着がないからこそ、あるいは元々実体がない(空である)からこそ。 解説
深掘り_嵯峨
布施の行為は、「与えた」という執着や、見返りを求める心がなくなって「空」となったとき、初めて「真の功徳」として「盈ちる」(満たされる)という逆説的な真理を表現しています。 これは、「求める」ことから「与える」ことへと価値観を転換し、さらに「与えた」という行為の執着さえも捨てるという、空の哲学に基づいた究極の無私を謳い上げています。