みほとけはいづこに在します西方の 十万億土か五尺のこの身か
照滴026
本文
みほとけはいづこに在します西方の 十万億土か五尺のこの身か
形式
#短歌
カテゴリ
#3.信仰・信心
ラベル
#仏 #念 #信仰 #宇宙
キーワード
#西方浄土 #仏の存在 #自我 #宇宙 #内外
要点
仏は遠くの浄土にいるのか、それとも自分の心に宿るのか。
現代語訳
仏は西方浄土におられるのか、それとも五尺ほどのこの私の身におられるのか。
注釈
西方の十万億土(さいほうのじゅうまんおくど):阿弥陀如来の極楽浄土。遠く隔絶した理想の場所。
五尺のこの身:自身の体、個の存在
解説
広大な宇宙の中に仏は存在するのか、それとも個人の心に内在するのかという信仰上の問いを示す。禅的に自己の内面と宇宙を同一視する感覚が反映されている。
深掘り_嵯峨
仏の存在場所に関する根本的な問いを詠んだ歌です。浄土宗で説かれるような遠い理想郷(西方十万億土)に仏はいるのか、それとも密教や禅で説かれるように、自分自身の肉体(五尺のこの身)の内面にいるのか、という信仰の対象と探求の場に関する哲学的な対立を示しています。
この問いは、外的な救済(他力)と内的な悟り(自力)のどちらに依るべきかという、求道者の進路を問うものであり、その両方にあるという不二の真理への道を示唆しています。