ひさかたの雨に打たれて鮮やかに なお麗しきあじさいの花
照滴023
本文
ひさかたの雨に打たれて鮮やかに なお麗しきあじさいの花
形式
#短歌
カテゴリ
#5.自然・風景
ラベル
#雨 #花 #自然現象 #夏
キーワード
#あじさい #雨 #鮮やか #麗しさ #自然美
要点
雨に打たれてもなお美しいあじさいの姿。
現代語訳
長い間降る雨に打たれても、あじさいの花は鮮やかで美しい。
注釈
ひさかたの:永遠・長く続く。天体や空に関わる言葉にかかる枕詞。
あじさい:梅雨の季節の象徴的花。雨によって、かえってその美しさが増す花。
解説
自然の力強さと美しさ、降り続く雨の中での花の生き生きとした姿を描写。無常感や生命力の象徴としても読み取れる。
深掘り_嵯峨
苦難や試練の肯定を、紫陽花(あじさい)というモチーフを通して表現しています。「雨に打たれて」という苦境や無常の試練(滴塵023の桜との対比)に晒されても、「なお麗しき」姿を保つ紫陽花は、煩悩や苦悩を浄化の糧とし、真の美しさを輝かせる求道者の姿と重ねることができます。
試練を避けるのではなく、それを受け入れることで、かえって仏道や人間的な深みが増すという、強い肯定の精神が込められています。