たまゆらの響きは耳に聞こえねど しかとまします心にみほとけ
照滴021
本文
たまゆらの響きは耳に聞こえねど しかとまします心にみほとけ
形式
#短歌
カテゴリ
#3.信仰・信心
ラベル
#念 #信仰 #仏
キーワード
#たまゆら #響き #耳に聞こえぬ #心に宿る #みほとけ
要点
それとわからなくても、心には確かに仏が宿っている。
現代語訳
微かな響きは耳には聞こえなくとも、心には確かに仏がおられます。
注釈
たまゆら:ごく短い間、微かなもののたとえ
耳に聞こえねど:物理的な聴覚では捉えられない。
しかとまします:確かにそこに存在している(ましますは「いらっしゃる」の尊敬語)。
心にみほとけ:外の世界ではなく、自己の心の内に仏が存在している。
解説
視覚や聴覚に頼らず、心で感じる信仰の深さを表現。微細な現象や感覚を通じて、仏の存在を捉える禅的感覚が反映されている。
深掘り_嵯峨
真理の所在と認識の方法を説いた歌です。仏(みほとけ)は、五感(耳)で捉えられる「音」(たまゆらの響き)として現れるわけではなく、心という内なる世界に「しかとまします」という、確固たる存在としてあることを示しています。
これは、即身成仏や本覚思想に通じるものであり、悟りは外に求めるものではなく、内なる仏性への気づきであるという、この歌集の中心思想を再確認しています。