いづくより来りて去るやアダムの子 土より生まれ土へ帰ると
照滴039
本文
いづくより来りて去るやアダムの子 土より生まれ土へ帰ると
形式
#短歌
カテゴリ
#4.無常・生死
ラベル
#生死 #無常 #自然現象 #人生 #いのち
キーワード
#アダムの子 #土 #生まれる #帰る #循環
要点
人間の生と死、自然との循環を簡潔に表現。
現代語訳
人はどこから来てどこへ去るのか。アダムの子として、土から生まれ土に帰るのだ。
注釈
いづくより来りて去るや:どこから来て、どこへ去っていくのか。生の根源と死後の行方に関する問い。
アダムの子:キリスト教の創世記に登場する、最初の人類の子孫。人類全体のメタファー。
土より生まれ土へ帰る:自然回帰、生死循環の比喩
解説
生命の無常を仏教的視点で描き、人間は自然の循環の中で生き死にする存在であることを短歌で表現。
深掘り_嵯峨
仏教的な無常観(生滅変化)と、キリスト教的な起源の物語(アダム、土)を融合させた、普遍的な生と死の問いを詠んだ歌です。
人間の起源と終焉が、「土」という自然の物質に結びつけられており、生命の循環と、肉体の儚さ(滴塵005)を認識しています。異なる宗教の概念を並置することで、「どこから来て、どこへ行くのか」という人類共通の根源的な問いの深さを増しています。