いかにいかにと問うなよ人に仏にも おのが胸に問え静かに熱く
滴塵038
本文
いかにいかにと問うなよ人に仏にも おのが胸に問え静かに熱く
形式 #短歌
カテゴリ #2.修行・実践
ラベル #修行 #精神 #悟り
キーワード #問う #胸に問え #静かに #熱く #自己修行
要点
他者や仏に問うのではなく、自己の胸に問い、自ら修行の道を確かめて進むしかない。
現代語訳
どうだこうだと人や仏に問うな。自分の胸に問いかけよ、静かにしかし熱く問い続けよ。
注釈
いかにいかにと:どうだ、どうすべきか、と。答えを外に求める行為。
問うなよ人に仏にも:他者や、さらには信仰の対象である仏にさえ、答えを求めてはならない。
静かに熱く:冷静でありつつ、内面に燃える情熱を持つこと。
おのが胸に問え:自己内省の勧め。自己の内面に答えを探せ。
解説
修行の実践は他者に尋ねるのではなく、自らの心で問い続けること。静と動の対比で、冷静さと情熱の両立が修行の要であることを示す。自己問答を通じて悟りに近づく比喩的表現。
深掘り_嵯峨
滴塵009(私の居場所)の問いに対する、実践的な行動指針を提示した歌です。
悟りや真理は、他者や権威(仏)から与えられるものではなく、自己の内面にしか存在しないという、禅や内観の思想に基づいています。
「静かに熱く」という対比表現は、表面的な熱狂ではなく、深く集中した求道心を持って、自己の本質と向き合うことの重要性を説いています。自力による悟りを求める、自立した精神を感じさせます。