旧石器時代「岩宿遺跡」発見の人間模様(5)――杉原荘介と芹沢長介の確執
#考古学 #旧石器 #捏造
日刊SPA!PLUS
2017年07月31日
旧石器時代「岩宿遺跡」発見の人間模様(5)――杉原荘介と芹沢長介の確執
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①相澤は、群馬での発掘調査で面識のあった慶応大学の考古学研究者・江坂輝弥(その後、同大名誉教授)宅を訪ねる。
②そこに明治大学の大学院生・芹沢長介が居合わせていた。芹沢は、学生ながらすでに新進気鋭の考古学研究者として学界で知られていた。
③相澤は、慶応大の江坂が、群馬で他の発掘グループとの交流もあるため、情報が漏れるのを恐れ、芹沢だけに槍先型尖頭器の話をする。
④その後、相澤は、これまで発掘した石器を芹沢に見せる。
⑤芹沢は、その石器の価値(旧石器である可能性)を見抜き、現地を案内して欲しいと依頼する。
⑥相澤は、芹沢の眼力と人間性を信頼して持参した石器を芹沢に預け、すべてを託すことにする。
⑦芹沢は、静岡県・登呂遺跡(弥生時代の集落・水田遺跡)で調査主任として発掘調査を行っていた先輩にあたる杉原荘介(当時、明治大学助教授)に、素晴らしい発見があるので早く戻って欲しいとの速達を送る。
⑧東京に戻った杉原は明治大学の考古学教室で、芹沢立ち合いのもと相澤と面談し、石器を一つひとつ見て、相澤が発見した赤土層を試掘することにする。
⑨昭和24(1949)年9月11日、相澤忠洋、杉原荘介、芹沢長介らの6名によって試掘が行われ、旧石器時代の存在が学問的にも確認される。
⑩同年9月19日、杉原は文部省記者クラブで記者会見。
⑪翌日9月20日、毎日新聞東京版は二段抜きの見出しで「旧石器の握槌(にぎりつち)群馬県で発見 明大杉原助教授 十万年前と推定」と報道
(引用者注、十万年前は大げさで、現在ではおよそ3万年前とされている)
※ここで岩宿まで戻れと視聴者のコメント。
※『岩宿の発見』はまだ文庫で読めるね。『古代への情熱』シュリーマンは新潮文庫でまだ出ていそう。
『ピルトダウン』みすず書房は絶版。『ミッシングリンクの謎』みすず書房も絶版(この2冊はAmazonにはあるみたい)。