浄土思想と大乗戒
#平川彰 #仏教 #戒律 #大乗 #浄土
浄土思想と大乗戒1☆浄土と清浄世界
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第一篇 浄土教の研究
第一章 浄土思想の成立
一 浄土と清浄世界
(一)「浄土」の二つの意味
*阿弥陀仏の「極楽」と「浄土」
(二)浄土三部経と「浄土」の用語
*翻訳語としての「浄土」と梵本
*「浄仏国土」の思想
(三)阿弥陀仏は般若経と疎遠
*阿弥陀仏の教理の大乗的変身
(四)「浄土」の訳語の成立
*羅什にはじまる「浄土」の語
*菩薩行としての浄土
(菩薩が菩提心を発して仏国土を清める行)
(五)「浄土」の原語の不確定
浄土思想と大乗戒2☆中国における浄土教の成立
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はしがき
二 中国における浄土教の成立
(一)浄土教成立の経過
(二)無量寿経論に示される清浄性
*願行の清浄から極楽の清浄へ
(三)浄土論註の安楽浄土の意味
*「因浄なるが故に果も浄なり」
*「浄土の法門」
(四)道綽以後
*多様な浄土教の展開
浄土思想と大乗戒3☆浄土三部経の問題点・まとめ
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三 浄土三部経の問題点
(一)阿弥陀仏の経典
*阿弥陀仏の原名
*阿弥陀仏の前生説話
*極楽往生の方法
(二)無量寿経の性格
*梵漢蔵七本の無量寿経
*「四十八願経」と「二十四願経」
*阿弥陀仏と極楽の起源
(三)観無量寿経
*インド成立を疑う説
*清浄業処観
*観無量寿経の成立
*観経の訳者
*般舟三昧と観経の業処観
(四)阿弥陀経
*大本より古い小本阿弥陀経
四むすび
*インドにおける浄土思想の成立
①小本「阿弥陀経」には極楽の清浄性は説かれていない
②阿弥陀仏に「前生」が語られる
③24願経と48願経とのあいだの発展段階
④48願経
⑤「観無量寿経」。極楽を観相する
⑥天親「無量寿経論」
*中国における浄土思想の発展
⑦曇鸞「浄土論註」。「安楽浄土」。極楽=浄土
浄土思想と大乗戒4☆浄土教の用語について
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五 易行の反面に潜むもの
第三章 浄土教の用語について
一 問題の所在
二 羅什と浄土の観念
三 浄土論の浄土の観念
四 浄土論註の浄土観
浄土思想と大乗戒5☆浄土教の成立の問題
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第四章 浄土教の成立の問題
一 問題の所在
二 浄土と清浄世界
三 浄仏国土と清浄世界
四 「浄土」の訳語と極楽浄土
五 浄土教の成立と曇鸞
浄土思想と大乗戒6☆阿弥陀仏の経典と仏塔
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第五章 阿弥陀仏の経典と仏塔
一 問題の所在
二 般舟三昧経の訳者
三 般舟三昧経の仏塔信仰
四 無量寿経類と仏塔信仰
*初め阿弥陀仏の経典は仏塔信仰と結合していたが、離れて行った。
*阿弥陀仏への信仰が純粋になれば、仏塔礼拝が極楽往生の方法になることは適切とは見られなくなるからであろう。
*阿弥陀仏を信じ、阿弥陀仏の名号を聞くことなどが、より重視されてくる。
*極楽浄土は仏塔をモデルにして説かれた?
→仏塔の塔身のある所に阿弥陀仏が居られる
*欄楯に囲まれた中央に阿弥陀仏が居られる?
→それは仏塔の塔身がある所であり、そこに仏の舎利が安置されている
*仏舎利を阿弥陀仏に取り換えたものが、極楽浄土の信仰に発展した。
*仏塔信仰は、仏陀の救済を願う人々の間で発展した晋侯である。
*観仏三昧としての阿弥陀仏の信仰が教理的に発展すれば、仏塔信仰から離れてゆく。
*阿弥陀仏は寿命無量の仏であるから、涅槃に入らない仏。
→仏の舎利は得られない。極楽浄土には舎利塔はない→仏塔信仰は行われない。
*阿閦仏は仏国土を建立し、そこに多くの人々を迎えとるが、阿閦仏は寿命無量ではないから、最後には涅槃に入る。その時、阿閦仏国の人々は、その舎利を供養し塔を建てた。
浄土思想と大乗戒7☆観経の成立と清浄業処
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第六章 観経の成立と清浄業処
一 問題の所在
二 漢訳パーリ論書と業処説
三 業処の観法と有部の教理
四 成実論と舎利弗阿毘曇論、その他
五 観念経との関係
浄土思想と大乗戒8☆如来蔵としての法蔵菩薩
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第七章 如来蔵としての法蔵菩薩
一 法蔵菩薩阿頼耶識論
二 アーラカと如来蔵との関係
三 浄土思想と仏性
四 仏陀にたいする信の変容
五 如来蔵の「信」と法蔵の意味
浄土思想と大乗戒9☆阿弥陀仏と法蔵菩薩
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第八章 阿弥陀仏と法蔵菩薩
一 法蔵菩薩以外の前生菩薩
二 阿弥陀経の阿弥陀仏
三 観無量寿経の阿弥陀仏
四 無量寿経の阿弥陀仏
浄土思想と大乗戒10☆十善道1
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第二篇 大乗戒の研究
第一章 初期大乗仏教の戒学としての十善道
一 問題の所在
*戒波羅蜜
二 三聚浄戒と大乗戒
三 初期大乗経典の戒学
四 般若経と十善道
五 十善道の内容
六 十地経の離垢地と十善道
浄土思想と大乗戒11☆十善道2
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七 無尽意菩薩品と首楞厳経の戒波羅蜜
八 十善道と出家者の生活規則
九 十住毘婆沙論の在家菩薩の戒
十 出家菩薩の戒
十一 大智度論の立場
浄土思想と大乗戒12☆大乗戒と十善道
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第二章 大乗戒と十善道
一 中国仏教と戒律
二 瑜伽論の三聚浄戒と菩薩戒の関係
三 三聚浄戒と十善道
四 大乗戒と菩薩戒経
浄土思想と大乗戒13☆大乗戒と菩薩戒経
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第三章 大乗戒と菩薩戒経
一 中国仏教における大乗戒の解釈
二 瑜伽論における三聚浄戒と菩薩戒
*瑜伽論によれば
①律儀戒:諸菩薩の受くる所の七衆の別解脱律儀(七種:苾芻戒~近事女戒)
②摂善法戒:律儀を守りつつ、正覚を実現するためにあらゆる善を積聚すること
③饒益有情戒:衆生を利益し、社会のために尽くす戒
*菩薩戒の受戒は戒師が一人のみであり、証明者は十方の菩薩である。
*四重四十三違犯
*声聞戒と菩薩戒とは相互に背反する内容を持つ…二戒は内容的に相離れたものである。
浄土思想と大乗戒14☆初期大乗仏教の支持者としての善男子善女人
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第四章 初期大乗仏教の支持者としての善男子善女人
一 大乗仏教の支持者
二 菩薩と女性
三 良家の出身者
四 「善男子」と部派の関係
五 善男子の在家的性格
*善女人が善男子と同程度に重視されているのは、初期の大乗教団に女性の信者の多かったことを示す?
浄土思想と大乗戒15☆十住毘婆沙論(1)
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第五章 十住毘婆沙論における在家と出家
一 訳出の事情ならびに著者
浄土思想と大乗戒16☆十住毘婆沙論(2)
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二 十住毘婆沙論の出家菩薩の行法
(一)十住毘婆沙論の組織
(二)第二地の組織
(三)離垢地の解釈に示す十善道の在家的性格
(四)出家菩薩の行としての頭陀行
(五)居士衣と糞掃衣、六種衣
*居士衣…居士から布施された衣
*糞掃衣…遺体を包んでいた布
(六)常乞食と請食
(七)阿練若住と塔寺の生活
(八)残りの十頭陀支
浄土思想と大乗戒17☆十住毘婆沙論(3)
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三 在家・出家の共行の意味
(一)共行品の構造と郁伽長者経の立場
(二)共行の内容
浄土思想と大乗戒18☆初期大乗仏教における在家と出家
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第六章 初期大乗仏教における在家と出家
~とくに菩薩の三帰依について~
一 部派仏教の在家者
二 出家と具足戒
三 具足戒の問題点
四 在家菩薩の三帰依
浄土思想と大乗戒19☆華厳経に見られる初期大乗仏教徒の宗教生活(1)
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第七章 華厳経に見られる初期大乗仏教徒の宗教生活
一 仏灯明・仏帰依
(一)自灯明・自帰依の問題点
(二)仏教における在家信者の位置
(三)在家者の位置の低下
(四)在家者独自の教理の存在
二 救済仏の観念
(一)在家の立場での輪廻の解脱
(二)仏塔信仰と救済仏
三 問題の所在
四 菩薩の在家生活 
浄土思想と大乗戒20☆華厳経に見られる初期大乗仏教徒の宗教生活(2)
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五 菩薩の出家と仏の宗廟
(一)菩薩の出家作法と具足戒
(二)出家作法の古型塔寺
*律蔵では仏教の出家者に「沙門」は用いない
*大乗では古くは出家者を「沙門」と呼んでいた
*原始教団でも「比丘」の用語が固定する前は沙門の語も用いていた。
*したがって、初期大乗仏教はこの古い伝統を承けている
六 出家菩薩の日常生活と礼仏・礼塔
(一)房舎への入居と朝の生活
(二)乞食のために房舎を出る、道中の自然観照
(三)道行時の人間観照
(四)乞食時の心得と説法呪願
(五)洗浴
(六)誦経・礼塔・礼仏
(七)就寝
七 華厳の戒
(一)十種戒
*華厳の菩薩は声聞戒を受持しない
*華厳の基本的な戒は十善戒(三聚浄戒の摂律儀戒は十善戒を内容とするもの)
(二)十善戒
(三)十善戒と三聚浄戒
八 初期大乗仏教における真俗一貫の立場
(一)出家の優位と部派仏教
*教理的医には、大乗においてはあくまで在家出家共通の教理に立脚していた
*華厳経では、出家の優位を認めつつも、在家から区別して、出家独自の生活規範を打ち出していない
→大乗教団が本来在家者の中から発生したことを示す
(二)菩薩内戒経の在家と出家
*菩薩の行動が社会に向けられていた
→大悲の立場に立つ大乗の菩薩は、声聞の出家者のごとき禁止的な規則によって自己を束縛できない。初期大乗仏教において、在家と出家との戒は区別されない
*初期大乗仏教が在家生活をそのまま肯定していたことを意味するのではない
浄土思想と大乗戒21☆戒と律
https://twitcasting.tv/kouyakun_cafe/movie/814743709
第八章 仏教における宗教的実践の二重性、戒と律
一 問題の所在
二 戒と律の原語
三 シーラとヴラタ
四 戒の内容、増上戒学
*戒は三宝に帰依した後に具えるもの
*戒は信の次に起こるものであり、修行の機動力となる
五 律と戒の接点
*波羅提木叉の律儀に護られる
=律の学処を守ろうとする心内の力によって、行為が制約される
*波羅提木叉は律。律儀は戒
*悪から離れようとする内心の自発的な努力がなければ戒は成立しない。
*悪を遠離し善に親近せんとする精神力が戒の中心となっている。
*律の学処は条文が厳密であり、範囲が明確である。律には厳罰が明示されている。
*戒には自発的に悪を捨てることが示され、律には罰則が示される。これにより間接的に禁止がなされる。
*律は「僧伽並びに比丘たちの外面的行為を取り締まる規則」…出家修行者のみ
*信者には戒のみがあって律はない。自発的に戒を受けるのみであって、何ら強制的な義務を課せられない。
*律は外面的な規則であるから、比丘たちの内心にまで立ち入って取り締まることはできない。律の限界?
*入団の時に律を守ることを自発的に誓う。戒の立場に立って律を守る。そして脱退は自由
→戒と律とが結合する契機
*仏教教団を形成する以上、律は必要。ただ社会が変わり国土が異なるにつれて、それを地盤として存立しなければならない僧伽の規則も、当然変化を免れない。時代と国土に調和せしめつつ、しかも解脱の最高目的を見失わない最善の規範たらしめてゆくことである。これを可能ならしめるものは戒の精神
*戒は主観的であるから融通性があるが、それだけに堕落への危険を含む(不殺生戒→一殺多生。不妄語戒→嘘も方便)。律は妥協を認めない峻厳なところに、画一的な欠点もあるが、しかしそこに戒の持たない長所が存する。
*戒と律との相互依存
浄土思想と大乗戒22☆懴悔とクシャマ【了】
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第九章 懴悔とクシャマ~大乗経典と律蔵の対比
一 懴悔の語義
*犯した罪を他に対して発露し、告白する。その際、誠心にて発露懴悔し、一点の覆蔵心もなければ、それによって心が浄化され、罪を浄めることが出来る
*『涅槃経』(曇無讖)至心の懴悔には罪を浄化する力がある。
*罪とは、心に染みついた汚れであるから、同じく心の作用である懴悔によって心を浄化し、それによって過罪を除去できる
二 クシャマと懴の意味
(一)容恕の意味
*クシャマ:他から加えられた悪を堪え忍ぶこと
(二)梵漢併挙の吟味
*懴悔:至心説罪
(三)懴は音写語にあらず
(四)懴は懴摩の略にあらず、中国語の「悔いる」
*「懴」悔:自己の悪を「悔い」て、それを告白すること
三 大乗経典の懴悔の用法
(一)クシャマの意味
(二)懴悔はデーシャナー
四 律蔵における懴悔の用例
(一)懴悔は悔過
(二)デーシャナー
*懴悔という訳語はかなり自由
五 結び
*クシャマは懴悔の原語としては適当でない
*懴悔は梵漢併挙の語ではなく、懴も悔も意味を顕す中国語で、懴=悔、「悔いる」という意味。
*懴悔:犯した罪や悪業を告白すること