仕向けるデザイン。
先日、バイクで通勤していたら、対向車線をゆるゆると走る車が。あろうことか、その運転手、文庫本らしき本を読みながら運転している。いやいや、ダメだって。前を見なきゃ。
プジョーに限らず、フランス車は総じて前席の収納が少なめ。特にドリンクホルダー。ペットボトルはちゃんと入らないし、1ヶ所しかないモデルもある。フランス人は不便じゃないんだろうか?と思って調べてみたら、そもそもフランス人には運転しながら飲み物を飲む習慣がないらしい。
その昔、初代のiPodが発表された頃、こんなインタビュー記事を読んだ記憶がある。
聞き手「背面の鏡面仕上げは美しいけど、指紋が気になりそうじゃないですか?」
アップルの人「指紋?付いたら拭けばいいじゃないか。何が問題なのかわからないよ。」
お客様のニーズを取り入れて商品を作る「御用聞き」の視点からの質問だなぁ、と思った。文化の違いだから、どちらが良い悪いではないけれど。
車の話に戻ろう。ドリンクホルダーにコインケースに小物入れにと、おもてなし精神で至れり尽くせりのインテリアに仕上げるのもそれはそれで良い。だが、それはまるで“自分の部屋にいるような錯覚”をドライバーに見せていることになってはいないだろうか。
ひとたびハンドルを握って公道に出れば、誰しもが交通の秩序を形成する公人。部屋が動いているのではない。車を走らせているのだ。ある程度の緊張感と覚悟を持つぐらいがちょうどいい。
フランス車の前席収納の少なさは、あえてそう仕向けるための設計なのかもしれない。「ここは部屋でなはく車だ。ドライバーたれ。」と。そして、こうも云われているように思える。
「コーヒーが飲みたければカフェにでも入ればいいじゃないか。休憩するのもドライバーの務めだろ?」
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