常用キーボードを追加:Keychron K11 Max JIS
Keychron K11 Max というキーボードを買いました。
Bluetoothと専用レシーバー、そしてUSB-Cと、無線と有線の両方で接続できるパソコン用のキーボードです。似たようなものは各メーカーから数多リリースされていますが、このキーボードはちょっと変わっています。
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K11 Max の特徴
メカニカルキーボード
ノートパソコンの内蔵キーボードや、デスクトップパソコンに付属してくるキーボードの多くは「メンブレン」という方式です。薄い膜状のスイッチなのでキーボードそのものを薄くできる、低コストで作れるというメリットがありますが、押されたキーを元の位置に戻す反発力にゴムを利用しているので、やや「ゴム感」を感じる打鍵感になっています。音で表すと「ぺちぺち」という感じ。
一方、メカニカルキーボードでは、理科の豆電球の実験でやったような「電気を通すか通さないか」というオンオフをするスイッチがキーの内部に収められています。キーの反発力には金属バネが使われていて、押し込みも戻りもスムーズなのが特徴。音で表すと「カタカタ」。
それぞれの構造については下記の動画が詳しいです。
https://youtu.be/nnDwFcvVxxA?si=btN7RwB204DJbhF6
私が買ったK11 Maxには「赤軸」と「茶軸」のキースイッチを搭載したモデルがあり、私は茶軸の方を選びました。ややクリック感のある打鍵感が特徴です。
ロープロファイル
メカニカルキーボードの中でも、キーの高さが低く、押し込みの深さが浅いものは「ロープロファイル」と呼ばれて区別されています。
高さが低い=薄いことを最優先にすると必然的にメンブレン方式になります。たとえば、Logicool Keys-2-Go 2は、高さが8.97mmしかありません。
しっかりした深い打鍵感を得ようとメカニカルキーボードを選ぶと、どうしても厚く重くなります。日本で代表的なFILCO Majestouch Convertible 3の高さは49mmです。
K11 Maxの高さは、29mm。上記二つの製品の、ちょうど中間です。メカニカルの打鍵感を得たいけれど持ち運びたい、ノートパソコンからステップアップしたいけど浅めのキーストロークの方が手に馴染む、というニーズに応える位置付けと言えます。
価格.comでの比較
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JIS配列
パソコン用キーボードの配列には、大きく分けて「US配列」「ISO配列」、そして「JIS配列」の3種類があります。日本国内で一般的なのはJIS配列ですが、世界的に見るとマイノリティです。数多くのキーボードメーカーがありますが、日本向けにJIS配列のキーボードを販売しているメーカーはごくわずか。さらにメカニカルとなると、これまでは日本国内のメーカー(FILCO、ARCHISS、エレコムなど)かスイスのLogicoolくらいしか選択肢がなかったのですが、2022年からKeychronが参入しているようです。
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Aliceレイアウト
K11 Maxのもっともユニークな特徴は、キーレイアウトです。タッチタイピングで右手と左手がそれぞれ担当するキーの間に隙間を設け、さらにV字状に角度が付けられています。これによって、脇を軽く開いた自然な姿勢でタイピングできる、というのが謳い文句です。
すべてのキーがリマップ可能
K11 Maxのもう一つの大きな特徴は、キーリマップ機能。パソコンにつないで「Keychron Launcher」という専用サイトにアクセスすると、すべてのキーをカスタマイズできます。たとえば、ControlとCAPS LOCKを入れ替えたり、fn2+U,J,H,K,で↑↓←→(カーソルキー)を押せるようにしたり、使う人の好みや作業スタイルに合わせて自由にキー配置を変えることができます。
Launcherを使ってキーボードをプログラムする方法– SUPER KOPEK
K11 Max を選んだ理由
きっかけは、Web広告でした。たまたま表示された珍しい形のキーボードに目を惹かれ、よく調べてみるととても便利に、そして心地よく使えそうだったのです。
カタカタやりたい
まぁ、まずはこれに尽きます。iPhone用のキーボードとしてLogicool MX Keys Mini for Macを愛用してきました。薄型キーボードなのに打ち心地は良く、とても気に入っています。ですが、このところ書く量が多くなってきたので、しっかりとした打鍵感と、タイプライターのように文字を綴っている手応えのようなものが欲しいという欲が出てきました。
ハードオフで見かけた FILCO Majestouch 2 HAKUA 静音赤軸 を買って試したこともありました。しかし、打鍵感や手応えは良いものの、接続方法が有線のみなので毎回ケーブルをつなぐのが地味に手間で、そのうち使わなくなってしまいました。
そのあと見つけたK11 Maxは、ロープロファイルで薄型でありながら、メカニカルスイッチなので打鍵感も良さそうで、私が求める条件にぴったり合っていました。
https://s.kakaku.com/compare/?pd_cmpkey=K0001393328_K0001540367_K0001664774&pd_ctg=0150
タイピングの姿勢をリラックスさせたい
一般的なキーボードはホームポジション(中段、Aから;まで)のキーが一直線に並んでいて、そこに指をきちんと乗せるには、前腕をやや絞り込むような感じで手首を内側に寄せる必要があります。この数年、鎖骨から肩甲骨にかけてずっとわずかに緊張しているようで、退勤する頃にはバキバキというような感じでした。
K11 Maxは、Aliceレイアウトのおかげで前腕を自然な角度にしたままホームポジションに指を乗せることができます。リラックスした姿勢でキーボードに向かえるかも、と期待してK11 Maxを選びました。
持ち運びたい
これは私だけの独特な理由だと思います。iPhoneとペアリングして、自宅でも出先でもキーボードで物書きをしたい。だから、これまではLogicool K380やLogicool MX Keys Mini for Macを使ってきました。そこに颯爽と現れたK11 Max。「カタカタやりたい」と「持ち運びたい」をギリギリ満たすサイズと重さ(MX Keys miniより14g重いだけ)で、まさにドンピシャだったわけです。
設定したキーリマップ
購入してすぐに、私の使い方に合わせていくつかのキーの位置を変更しています。
ControlとCaps Lockを入れ替え
これはもう、個人の好み、慣れの問題です。日本国内で売られているWindowsパソコンのキーボードでは、Controlが左下の角にあるのが一般的。一方で、私が30年来使ってきたMacでは、Controlキーは頑なに「A」の隣。私の手もこの配置にすっかり馴染んでしまっているので、今回もそのようにリマップしました。
また、私は左下角のCaps Lockを左手小指の付け根で押せるという技を持っているので、そのためにもこのリマップは重要です。
fn2とU,J,H,K をカーソルキーに
右手人差し指を「J」に置くホームポジションから、右手をキー1個分左にずらします。そうすると、人差し指が「H」に、薬指が「K」に乗ります。このとき、右手親指が自然とfn2キーの上に来ます。この状態でfn2キーを押さえ、同時に「U」を押すと↑、「H」を押すと←、となります。こうすることで、ホームポジションからほとんど手を動かさずにカーソル操作を行うことができます。
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「Home」キーを「PageDown」に
Cosense(旧Scrapbox)やSimplenoteで、書きかけの文章の末尾に文を書き足していくという作業パターンが多いので、iPhoneに手を触れず、キーボードだけで末尾への移動ができるように、Enterキーの右にあるHomeキーに「PageDown」を割り当てました。
使ってみてわかったこと
打鍵感はまさしく「カタカタ」(ただしうるさくはない)
カタカタと叩く感じは、期待通りの心地良さでした。赤軸、青軸、そして静電容量無接点の使用経験はありましたが、茶軸はK11 Maxが初めてです。熊本の電器店では展示がないので、同じロープロファイル茶軸のキーボードを触ってみた上で、茶軸に決めました。これまでの経験から、赤軸はスルスルと手応えが薄く、青軸は近くに人がいる状況ではけたたましくて使いづらい。私には、茶軸は完全に正解の選択でした。
Aliceレイアウトは楽
Aliceレイアウトの効果は、日によって自分自身の体調も違うので、はっきりとしたことは言えません。独特なレイアウトなので、最初の数日間はとくに右手が疲れました。
そんなに効果ないのかな?と思っていた頃、たまたま一般的な一直線のキーボードを使う機会がありました。肘と脇が閉まって「今までこんな姿勢で打っていたのか」と驚きました。ずっと使っていると気づきにくいものの、K11 Maxでは楽な姿勢でタイピングができているんだと思います。
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ボリュームノブが便利
予想外だったのは、本体右上にあるノブが便利なこと。iPhoneでradikoやApple Musicを聴きながら物書きをすることもあるのですが、iPhone本体に触ることなくボリュームを増減あるいはミュートにできるのは、腕を持ち上げなくていいのでとても楽です。
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最上段のキーが無いのは気にならない
Windowsだとカタカナへの変換やExcelのショートカットでファンクションキーを積極的に使う方もおられるようですが、私はMacユーザーなのでファンクションキーは滅多に使いません。使うとしたら音楽の再生/停止、ボリュームの調整くらいですが、それは前述のノブでできます。
一方、Escキーはわりと多用するのですが、「1」の左隣にあってもあまり違和感は感じていません。Windowsで「1」の左隣を「半角/全角」キーとして使う場合はEscキーが使えなくなるので、困る人もいるかもしれません。Windows 11では「変換」キーと「無変換」キーで英数入力と日本語入力を切り替えるやり方がスタンダードになりつつあるので、そちらに慣れるのが将来的にも良い気がします。
「6」のキーは本来は右手人差し指の担当キーなので、中央の谷間の右側にあるべきように思いますが、他のメーカーでもAliceレイアウトでは「6」は左側に置かれているようです。私は、さほど違和感なく右手で打てるようになってきました。実際は左手人差し指の方が距離は近いので、この機会に左手担当にしてもいいかな、とも思います。元々、右手の方が担当キーが多いですからね。
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人によっては違和感が大きそうなのが「かな」キーの位置です。右手側のスペースバーの右隣にあるのですが、これを右手親指で押そうとすると、かなり指を折り込む必要があります。私は、もう慣れました。しんどく感じる方は、MacやiPhoneなら「CTRL + Space」での入力切り替えを使うのが良いと思います。
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その他のこと
技適マークの確認を
日本国内でワイヤレスキーボードとして使う場合は、「技適」の認証を取得している機材であることが必要です。技適認証なしの機材から電波を発する行為は法律違反となります。私は見たことはありませんが、Keychron社製品は並行輸入など技適マークのついていない個体も流通しているような話も目にします。日本国内なら正規代理店のSUPER KOPEKの直販か、大手通販サイトを利用するのが良いと思います。私はヨドバシカメラの通販で購入して、ちゃんと技適マーク(下の写真の中央、横向きの稲妻矢印と「〒」のマーク)が付いたものが届きました。
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バックライトはあるけど未使用
私は完全にタッチタイピングなのでキーボードを見て打つことがありません。そのため、仮に暗い場所で使うとしてもバックライトの必要性がなく、バッテリー消費を抑える意味でも、設定でオフにしてあります。
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万人向けの製品ではないことは重々承知していますが、私にとっては人生が少し変わるくらいのインパクトのあるキーボードだったので、ご紹介しました。発売から日が浅く、実際に試すことのできる電器店もごくわずかのようですが、見かけたらぜひ触ってみてください。
#キーボード #Keychron #物書き
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