井筒俊彦
井筒 俊彦(いづつ としひこ、1914年(大正3年)5月4日 - 1993年(平成5年)1月7日)は、日本の言語学者、イスラーム学者、東洋思想研究者、神秘主義哲学者。慶應義塾大学名誉教授。文学博士、エラノス会議メンバー、日本学士院会員。
言語学者、哲学者、イスラーム学者。東京生まれ。幼少のころより在家の禅修行者であった父に独自の内観法を教授され、禅書にも親しんでいた。慶應義塾大学文学部英文科を卒業。卓越した語学力により、当初はギリシャ神秘思想、イスラム思想、コーランの言語哲学的研究に専念。1957年から1958年、日本語ではじめての『コーラン』の原典からの翻訳が岩波文庫から刊行された。ただ、井筒自身は、この翻訳には満足せず、「一番大切な問題である文体を、口語の枠内で徹底的に」改めるなどし、「思想を新たにして全部訳しなおした」『改訳 コーラン』を1961年から1964年にかけて発表(「『コーラン』改訳の序」)。厳密な言語学的研究を基礎とする訳は、現在にいたるまで高く評価されている。また、『コーラン』についての意味論的研究書、『意味の構造』(原著は英語による)の評価も高い。
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