yasumiのメモ:『人を賢くする道具』第7章
第7章「ものには、それが収まるべき場所がある」p267-p315 より
ほしマークは個人の感想。
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●1800年代終〜情報量過多の時代。
郵便、クーリエ→電信(モールス)→自動車、電話→飛行機→無線。
とくに「電話」のインパクトは、
同じ場所で「一緒に仕事(小さく、遅い)」していた人々を、
離れた場所で「別々に仕事(大きく、早い)」する人々に変えていった。
★ここで2つの懸念が生じる。
(1)人間のインタラクション、コミュニケーションが損なわれること
(2)大量の文書の「保管と検索」をどうやるかということ
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●紙の文書の時代から現代までの分類整理法を追っていく。
1880年頃:ウートン特許の机(60-100のカテゴリー、物理的な構造による管理)
✗管理する仕事をユーザーの頭の中に負わせている(273)
✗探せない。他人と共有できない。
1900年初:縦型ファイルキャビネット(紙サイズの標準化、ファイリング手法の誕生)
○収納場所の数が無制限、階層で管理できる。
1996年現在:クリスのオフィス
◎L形に配置したデスク、様々な分類整理法を駆使。
ワークステーション、メモ用ボード、予定表、ポストイット、etc.
△デザインに伴うトレードオフの例
分類整理に向くファイルキャビネット/検索に向くパイルキャビネット。
△すべてを管理可能な量に抑える必要がある
★クリスは自分に合うようにアーティファクトを使いこなしているのが良い。
「ついつい後回しになってしまう論文作成のような「重要な」仕事を思い出せるようにしたいのです」(279)
「これは私にとって(中略)心理学的に見てとても大切なものなのです」(280)
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●分類整理の方法いろいろ
「マガキンズ金物店」目的+区画(階層)+知的エージェントがいる。
「本」アルファベット順+目次+索引。
「電子的な辞書辞典類」調べたいことを検索するだけ。
★電子的な検索によって、順序づけが不要になる。
ただ、自分の頭にないものを偶然取り入れるのが難しい(紙なら隣の情報や目に止まった情報も呼び込める)と思うが、そこは言及がない。
マガキンズ金物店で出会えるような知的な楽しみは、失ってはならないと思う。
一言でいうと偶有性。誤配。人はそれらを呼び込める能力が高いという点は活かしたい。
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●巨大な情報交換の相互接続網の時代。(298)
そこでも「ものを探し出すのに大変苦労」する。
人間は空間把握能力をもった空間的動物だが、
「個々の情報を別々の場所に置く」ことが機能するには条件がある。(302)
また、分類整理の情報は、変化していく。
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情報過多の問題を解決するには、「人間の記憶」を手本にする。(305)
分類整理をなくし、順序をなくし、「記述によるナビゲーション」にする。
★現在のキーワード検索の仕組みと同じ?
MICROSOFTBingではGPT-4搭載の検索エンジンをスタートしている。
個人的には、記述によるナビゲーションに広告がつきまとうことの影響が気になる
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●知識は力、という問題
「電子データーべースの威力ーまた脅威でもあるーは、以前には莫大な時間と労力と資源をかけなければ絶対に集められなかった情報を探し出してまとめてくれるアフォーダンスがあるということである。」(311)
コンピューター出現前にはなかったアフォーダンスが問題となる。