第4章「パレルゴンとエルゴン」_泡沫メモ
■引用と考えたこと
p56。良い文章を書きたいと願う自分としては、表現力のある文章の事をここまで明朗で端的に表現した文章は、今後において指針ともなるものです。最近読んでいる本でいうと、浅田彰さんの「構造と力」、当書「思考のエンジン」もその系列だと感じています。どちらも用語が多彩で一目で意味が分かるものでは無いですが…。
表現力のある文章とは、普通に考えると、明快な論理構造を持ちながらも、議論がダイナミックに進展していくなかで、著者の主張がはっきりと読み取れる文章、あるいはテキストということになる。
p58。分かりやすい様に引用文に強調を行っている。
脱構築はフランス現代思想(特にデリダかな?)の流れなので、そっちの議論を追わないと詳細は分からないのだけど、この箇所とその前後を読むと、プラトニズムから続いたロゴス中心主義が構造主義にまでその伝統(イデアの現出)を引き継いでおり、そのイデアの現出を目指す態度=ディスコースがテキストを支配するメカニズムを、追求し解体しようとしたところに脱構築の貢献があると読める。
泡沫.icon 千葉雅也の「現代思想入門」や、浅田彰さんの「構造と力」をまだ途中までしか読めていないけれど、「思考のエンジン」をもっと深く読みたいので履修したい気持ちが高まっている!
ソシュールの記号論も学びたいけれど、良い入門書はあったりするのだろうか
だがシニフィエとシニフィアンの間にあった関係が必然的でないとは、もともと記号論が述べたことである。必然的でないにもかかわらず、その関係の普遍性を強引に証明してしまうロゴス中心主義のディスコースがテキストを支配してしまうメカニズムを追求した点に、脱構築の貢献はある。
■用語
「discourse」とは、主に書かれたり話されたりする言語を通じたコミュニケーションや議論を指す。