7 空を飛ぶ竜
ジョファーがいなくなってすぐに、うさぎが柱の陰からぴょこり、と顔を出した。
「アスミ」
「きゃっ!」
「あれ、なんで元の服を着てるの? 汚れてたでしょ」
「……他に着るものなかったから」
「じゃあ、もう一回ジャグジーに入ってよ。パリッとした着替えを持ってきたから」
うさぎはそう言ってニコニコ笑っている。
(ジョファーには気が付いてない……)
アスミはホッとした。竜を始末する、なんて、不穏なセリフを聞かれていたら、大変なことになるところだった。
「わかった、じゃあ出てってくれないかな」
ラビの耳が片方垂れた。
「ん? なんで?」
「……脱ぐから……その……恥ずかしいでしょ」
「なんだ。そういうことか」
ラビは 楽しげにふふっと笑った。
「僕のこと意識してるの? 嬉しいな 。僕ってこんなにキュートだろ? このファンシーな見かけに騙されて、女の子って警戒心が薄くなっちゃうんだよね。意識されているとすごく嬉しい。僕も一応性別は男だし」
もちろん、これは彼一流のジョークだろう。本気で喜んでいるわけではないはずだ。
悪戯っぽくフレンドリーな目に、アスミはため息をつく。正直に言ってすごくかわいい。見た目も声も、表情も、全てが癒し系でできている感じだ。それでも彼は健太郎の仲間だ。敵なのだ。馴れ合っていては後が辛い。
「いいから出てって」
「はいはいはい」
口笛を吹きながらラビは出ていく。アスミはするりと白装束を大理石の床に落とした。
※
「さてと、ここがアスミの部屋。洋服ならクローゼットに山盛りあるからどれでも好きなものを選ぶといいよ。ベッドも素敵だろ。全部これ、僕がセットしたんだよ」
カントリー調の、甘すぎず渋すぎず、程よくフェミニンなインテリアの前で、ラビは自慢げに胸を張った。
「魔法の力で?」
ジョファーを思い出しながらアスミは尋ねる。
「そう。真実のここを、見てみる? ただの岩場だから」
「ううん、いい」
鎖骨の中心に手を置きながら、アスミは言った。
指先には何も触れないが、確かにそこには、ジョファーがくれたプレゼントがあるはずだ。魔法の凄さを思い知る。本当にそれは、戦いに使えないものなのだろうか。
ラビへの警戒心が強まっていく。気を許してはダメだ。このうさぎは敵だ。
その時奇妙な咆哮が、部屋を揺るがせた。
「あ、来て。もうすぐ健太郎が行くよ」
うさぎは窓を開けてアスミを手招いた。
隣に並び、窓のさんに手をかける。
ものすごい轟音があたりに鳴り響いたかと思うと 、青いドラゴンが猛スピードで 雲に向かって上っていくのが見えた。
(すごい……。夢を見ているようだわ……!)
青い鱗が、太陽を照り返してきらきらと光っている。
ドラゴンは垂直に飛び、雲をつけ切って見えなくなった。
「ああ……」
思わずがっかりしたような声を上げてしまう。しかしすぐにドラゴンは戻ってきた。
スピードを落とし、悠々と空の上を旋回している。
「空飛ぶドラゴンほどきれいなものはないよね。ね、アスミもそう思うでしょ」
「ええ」
アスミは天を舞う竜に釘付けになっていた。
「そう思うわ」
じゃあまたね うさぎがされヒロインは大きなため息をついた取りとにかくこの 場所に順応しなければ ならない。
うわーすごいこれ誰が作ったの? 取りテーブルに並ぶ 様々な料理の数々を見て ヒロインは感嘆の声を上げた。
お口に合うといいけど。
君ってすごいね 空は飛べるし料理もできるし魔法も使えて…… なんでもできるんじゃない。
そう言いながらヒロイン割とヒーローを見る 。
五目撮りヒーローは意味深な視線に反応し片眉を上げる とりどーした? 何か言いたそうだな とりいいえ別に取りヒロインは誰黄色のこと誤解してるんじゃないかな 、空を飛んで 口から火を吹いて人を焼き殺し それで時々自分を助けてくれるだけの木偶の坊だって撮りたいなそんなこと 。
二郎がムッとしたような表情を浮かべたのを見て 、ヒロインは慌てる。
とヒーローは立ち上がった 。
どうしたの? 取り外に出てくる。
見回りだ とりまた変な輩が 来るかもしれないからなとり 紙ナプキンで唇を拭き黄色は大股で立ち去った。
ここで暮らしてるの? 二人だけでリモートそうだよ男二人で寂しいばかりさ 、だから君が来てくれてヒーローはすごくはしゃいでるとりあの態度が? 取りわからないかな 、黄色はすごくはしゃいでるよとり ヒロインは思わず考え込んだ取り彼の頂上はとにかく読みづらくて どこがどう喜んでいるのかよく分からない。
ただヒーローとは違って うさぎはとても話しやすかった 取り彼とはいいお友達になれそうだ。