安倍首相
安倍首相
2012年以降、株式市場を見てきた人に取っては安倍元首相は思い入れのある首相だったことは間違いない。1990年の終わり頃からくすぶり続けてきた日銀への不満・不信に対処してくれるというサプライズをくれた首相だった。
当時を思い出すと、第二次政権に就任した2012年の年末選挙は野田元首相がいきなり?解散してくれたものだったけど、当時は、自分としては政権交代はあるのだろうけど、一度、政権を放り投げた安倍氏で、それまで小泉政権以降続いた短命政権に連なるものだろうと思っていた。
ただ、選挙期間中に、びっくりしたことがあった。Youtubeのリコメンドで偶然みた形だったが、その中で安倍氏がある政策勉強会の中で、かなりはっきりと日銀に対する批判を行っていた。前の政権のときに、日銀の言うことを聞いたけど、これは間違っていた。金融政策は変えないと行けないと、かなり本音で真顔で話していた。今探してもリンクが見つからないけど。
その映像をみて、自分は、始めて投票所に行く前から投票先を決めて投票した。あの映像を頭に浮かべながら。そして、メディアの予想通り自民党勝利で日が過ぎる。注目は、マーケット的には、3月に入れ替えのある日銀総裁・副総裁の人事。
自分としては、あのYoutubeの安倍氏には、本音に見える表情があった。ただ、まあ本当に金融政策の転換になるような人事になるのか半信半疑だった。メディアでも人事の意見が分かれてたと思う。それ以上は新聞・雑誌レベルの情報しかない私には分からない世界。
で、蓋を開けたら、黒田総裁、岩田・中曽副総裁だった。サプライズだった。また、総裁になった黒田氏も、確か、当初はスタンスがこんなに緩和的なものかはメディアとしても半信半疑だった気がする。が積極緩和であることがだんだん?分かり、アベクロともいわれたけど、安倍氏の押出し力があり、アベノミクス。
2013年の春は、相場の月足チャートを見ていても、ここが買いに回らないのはあり得ないというチャートだと、当時思っていて、それでよかったのだけど、生来の貧乏性があり、割安でないと買いに行けないスタンスが自分ではネックになった。逆に、今の月足チャートは、普通に見てここで買いにいけるはずがない...だけど。割安という短絡思考で買ってるのがあり、性分が治ってない
それで、2014年以降はあまり相場を見なくなり、新聞レベルの情報も適当に流し読みしてる感じだったけど、安倍首相の政権運営は、巧みに解散戦略を使うのだなあ。消費税は、政局と財政政策?がリンクする不思議なテーマだけど、これと解散戦略をうまく使った。そんなに短い間隔で選挙にするんだ、と驚いた感覚はあった。うまくというのは、自分の後付けの感想だけど。2012年の選挙以降は関心も低下して、投票所についてから誰に投票するかを決めるスタンスに戻ってる。
消費税upを処理して、安倍氏の宿願?の憲法改正はどうなるかなとおもっていたけど、再度、体調面の問題で菅首相になって、有能だけど憲法改正というシンボル的なテーマに関心がなさそうな首相になって、自分も元々シンボル的なことに興味薄くて、デジタル庁とか環境政策とかに関心が移っていった。
さらに年が経って、銃で打たれてしまった。@20220708
首相候補の息子で、おじいさんは岸総理大臣で、そして本人は長期で首相をやり実績を残した。家としてポリティカルキャピタルをたくさんもっており、それをしっかり使ったんだと思う。あの映像から見る父親譲り?の柔和な感じからは意外なほど、プラスアルファ?があった。
自分は読売新聞が主宰?の力で憲法改正に力を入れていて、それを20年くらい前くらいから?時々読んでは、改正というテーマがあるということだけは頭に残っていた。各論はともかく憲法は定期的に見直した方がいいと思うし、反対派の議論は枝葉末節の話しかないので、話が進んでほしい。2013年の金融政策の転換の恩でバイアスがかかってるかもだけど。大局観があったという追悼コメントがあったけど、良いテーマを選んで辛抱強くやるという優れた政治家だったのだと思う。
安倍首相を直接見にしたこともないし、メディアを通してしか見てきてないけど、自分の記憶では晋太郎氏から記憶に残ってる。岸総理大臣の孫というのは理解していなかったレベルだけど。2世3世政治家は批判されるけど、家?が持つ政治的なキャピタルを活かした人だった。
金融政策を転換させて、解散権を使いながら消費税UPをして、憲法改正への道筋をつけた。
世の中の右傾化に流れはあったにせよ。
もし、これからが経済の時代から政治・戦争の時代になるのであれば、安倍氏が作り上げたキャピタルを使って欲しい場面があったかもしれないのは残念。
追悼。