アルツハイマー病の炎症仮説
この総説は、アルツハイマー病の炎症仮説と感染仮説に焦点を当て、特にミクログリアの老化による慢性脳炎症について論じています。主な内容は以下の通りです: 1. はじめに
- アルツハイマー病の主な病理学的特徴としてβアミロイド(Aβ)の蓄積が挙げられる
2. 脳炎症仮説
- McGeerらによる脳炎症仮説の提唱
- NSAIDsの予防効果の可能性
- ミクログリア除去による認知機能改善効果の研究
3. 感染症仮説
- HSVなどの感染とアルツハイマー病の関連性
- 歯周病原細菌とアルツハイマー病の関連
5. 全身性炎症と脳炎症
- 全身性炎症が脳炎症を引き起こす機序
6. Pg菌由来LPSとミクログリア
- P. gingivalis由来LPSによる炎症反応の誘導
- ジンジパインによるミクログリアの遊走と炎症反応の誘導
8. おわりに
- 新たな治療戦略の可能性
図1と図2では、ミクログリアの老化メカニズムとジンジパインの作用について図示しています。
この総説は、アルツハイマー病の病態に関する新しい視点を提供し、特に慢性炎症と感染の役割に注目しています。これらの知見は、新たな治療アプローチの開発につながる可能性があります。