働きアリの法則
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蟻の解き放ち
「疲労」というものが存在する以上、一見サボっているように見えるアリの存在が、コロニーの存続に大きな役割を果たしている。仮に全てアリが同じ反応閾値だと、すべてのアリが同時に働き始め、短期的には仕事の能率が上がるが、結果として全てのアリが同時に疲れて休むため、長期的には仕事が滞ってコロニーが存続できなくなることがコンピュータシミュレーションの結果から確認されている。閾値によっては一生ほとんど働かない結果となるアリもいるが、そのようなアリがいる一見非効率なシステムがコロニーの存続には必要だという。
生物には「疲労」が存在するため、全員が働き者だと全体で疲労が蓄積して機能不全になるリスクがある
ここで言う「アリ」は「人間」に、「アリのコロニー」は会社や組織など「人間のコミュニティ」にたとえられる。ここで言うサボっているのを言いかえれば、予備部隊(交代部隊)や独立要因に当てはまる。ながらく経験則に過ぎなかったが、近年は研究が進んでおり、例えば「働いているアリだけを集めると一部がサボりはじめる」という法則は北海道大学の長谷川英祐らが証明し、2012年に『Journal of Ethology』(日本動物行動学会)に論文として発表された。昆虫の社会を研究することで、生物のシステムにおける共同の起源に迫ることが期待されている。