「周囲との比較」で全ての人が満足することは原理的にあり得ないが、「過去との比較」なら大半の人が満足することは可能である
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フリードマンによれば、人は「周囲との比較」と「過去との比較」によって自分の幸福度を認識する。要するに、縦(過去の自分)と、横(周りの人々)とで比べて、自分の幸福度を認識するのである*4。
だが、「周囲との比較」で全ての人が満足することは原理的にあり得ない(大半の人が満足することも難しいだろう)。相対的な優劣を巡る問題になると、必ず優と劣が生み出され、全ての人が優になることができないからである*5。
しかし、「過去との比較」なら大半の人が満足することは可能である。経済成長は、多くの人にとっての生活水準の向上を可能にする。そして、「過去との比較」で満足した人は、「周囲との比較」で満足できなくてもそのことはあまり気にしなくなる。縦の比較で満足できれば、横の比較で満足できなくても、不満感は大幅に小さくなるのである。だから、多くの人の幸せのためには経済成長が必要である。
今生きている周囲との比較では、勝ち負けが発生する
人類は経済成長・文明の発展を蓄積できているので、過去の比較ではほとんどの人が勝っている
周りより幸せかどうかより、過去より幸せかどうかの価値基準を多くの人が持つようになれば、幸せ総量は増えそう