世界システム論
世界システム論(せかいシステムろん)とは? 意味や使い方 - コトバンク
世界システム論(読み)せかいシステムろん(英語表記)theory of the world-system
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界システム論」
近代以降の世界全体を単一の社会システム,すなわち世界資本主義体制としてとらえ,その生成・発展の歴史的過程を究明することによって,さまざまな政治経済的諸問題,とりわけ国家間関係,経済的な支配・従属,世界秩序の構造と変動などを全体的に究明しようとする理論。
アメリカの歴史社会学者 I.ウォーラステインによって創始された。
まず世界をアメリカおよび他の工業諸国から成る「中心」と,発展途上国から成る「周辺」に分けた上で,
前者によって後者が搾取され,さらに両者によってその周辺が搾取されているとする。
富める国々は,周辺地域から稼ぎ出した余剰のうちわずかな部分しか周辺地域に配分しない。
他方,周辺に属する国々にも「周辺の中心」,すなわち世界経済システムの中心に位置する外国資本と結びついた特権階級や民族ブルジョアジーが存在する。
このように世界を素描する世界システム論は,明らかにマルクス主義的な考え方を下敷きにしている。
ここには,国家間に固有の競争や対立への言及はなく,資本主義社会における階級闘争の分析が世界全体に拡大・適用されるのである。