ライシテ
フランスにおける政教分離を指す言葉。
その意味には多様なものがある。
伊達聖伸「政教分離」(『宗教学事典』丸善)より
(前略)
フランスでは大革命以降、[国家、あるいは市民と]カトリック教権主義との対決の中で、市民の政治参加を通じた政治権力の構築がめざされた。
諸教会と国家の分離を定めた 1905 法は、「ライシテ」(非宗教性・世俗主義)の基本法とされている。
ライシテの基本原理を要素的に示すなら、
宗教的権威に対する政治的権力の自律、
諸教会と国家の分離、
国家の諸宗教に対する中立性、
私的領域における良心の自由と礼拝の自由の保障
の四つがあげられる。
ともすると、ライシテとは公的空間における宗教色の排除であり、特殊フランス的なものだと受け止められがちだが、実際にはフランスでも公的空間に宗教色が現れることもあるし(例えば共和国大統領の葬儀は慣例的にパリのノートルダム寺院で行われる)、これら四つの要素はフランスの独占物ではない。
近年ではライシテの国際比較も行われている。
(後略)