アノミー的自殺
中島道男『エミール・デュルケム』(東信堂、2001年)pp.31-33による解説
国家が没落の危機にあるときも、逆に急激な繁栄にあるときも、社会が混乱し今までの秩序が動揺している点、どちらも危機でこれまでの均衡が破壊されている点では、同じである(こうした局面で、自殺が増えている)。
アノミー:人間の欲求に対する社会による規制が失われた状態 「社会が急激に繁栄する時、今まで欲求にかけられていた重しがはずされ、無限の可能性が開けたように思われてくる。しかし、その欲求に適合した手段がないから、欲求不満だけが蓄積する。そして、ついには生への意欲も衰えてしまう。商工業の世界は、まさにこのアノミーの慢性状態ではないか。これが、自殺の急増のもう一つの原因となっている。」[デュルケームによれば、一つ目は「エゴイズム」でそれによる自殺を自己本位的自殺と類型化する。]