親指エンターとJIS配列の逆襲
またキーボードネタですが……
タイトルは伝説の日本語かな入力方法である(?)親指シフトのもじりです
さて、親指エンターとはその名の通り、エンターキーを親指に割り当てる方式です
いやいや親指の位置にエンターキーなんてないやろがい! とツッコミが入りそうですが、最後まで読んでください
まずはこちらを御覧ください
https://gyazo.com/d9c385ee80ab399fbbea1f0d03962d6c
アイデアは単純です。この図の通り、JISキーボードのスペースキーの隣にある英数・かなキー(Windowsだと変換・無変換)をBackspace/Enterにそれぞれ割り当て直すという方法です
右手の親指でエンターキーを押すのでこういう名前にしてあります
(別に僕が考案したわけではないと思うのですが、ググってもそれらしい名前が出てこなかったので)
やり方は後述しますが、このコンセプトに至る経緯を少々語らせてもらいます
US配列とJIS配列のきのこたけのこ戦争
僕はJIS配列のキーボードを使っています
というか、日本人のほとんどの人はそうだと思う
というか、それ以外の配列が存在することすら知らない人がいてもおかしくないのでは?
しかしなぜかプログラマー界隈ではJIS配列への風当たりが強いようです
US配列派の言い分は次のようなものです。
「キー配列のバランスが左右対称で美しい」
(JISはかな入力の都合上104個だとキーが足りないからね)
「印字された文字が英字だけで美しい」
(かな入力の(ry)
「記号キーの配置が合理的」
(そうか?)
「キーが少なくて美しい」
(そうか?)
「Returnキーへの移動距離が短い」
(わかる)
「Backspaceキーが大きくて文字を消しやすい」
(キーボードによるだろ)
ツッコミも一緒に入れてしまいましたが要はきのこたけのこ戦争なわけで、どちらも一長一短あると思います
US/JIS論争の99%までは慣れと印象論に過ぎないと僕は思ってます。
しかし、残りの1%にわずかながら大きな違いがあると思っています。
それが英数・かなキーの存在です
JIS配列最後の砦、英数かなキー
JISキーの最下段、スペースキーの両隣には英数・かな(ローマ字)入力を切り替える専用のキーが存在します。
これもUS派の批判の的になることもしばしばなのですが、これが便利だということはおおよそ日本語話者であれば異論はないと思われます。
しかしこの2つのキーはとても便利な半面、ちょっといい位置にありすぎるのではないか?と僕はずっと感じていました。
スペースキーの両隣というのは、左右の親指がホームポジション時にレストしているベストポジションです。
何もしなくとも自然に親指があるというのはホームポジションの人差し指くらいの絶好の位置なわけです。
この位置にキーが有る配列はコンセプトキーボードでもない限りJISだけです。
この特権をどうにか有効活用できないかと思っていたときErgoDoxを始めとする分割キーボードの存在を知りました
分割キーボードの一部はその構造上、親指の位置が自由にできるので、親指の位置に色々とメタキーを配置しています
そこにEnterキーやDeleteキーを置くという人たちも多くいるようです
それを見ていいなー羨ましいなーとずっと思っていたのですが、ふとJISキーボードにもその位置に絶好のキーがあることを思い出しました
そうです、英数キーとかなキーです
この2つは便利だけど、US配列にしたらみんな別の方式でIMEを切り替えてるし、無くても行けるじゃないか……
そう思ってこの2つを「英数→Backspace」、「かな→Enter」に変えてみました
すると……
めっちゃいい……
ということに気が付きました
ホームポジションから全く手が動かなくなる
具体的に言うと、日本語を入力しているときに、手がホームポジションから全く動かなくなりました。
プログラミングをしていると記号の入力で手があっちいったりこっちいったりして煩雑な思いをするわけですが、自然言語の入力ではそれらのメタ記号って全然使わないんですよね。
その結果、こうして文章を作成しているときに誇張無く、本当に右手がホームポジションに固定された状態で文字を入力できるようになりました。
まだ完全になれた訳ではないのですが、思いのほか快適だったので少々興奮気味でこの記事を書いています。
特に、Backspaceキーの便利さが段違いで、US/JISどちらでもホームポジションから遠すぎる位置にある削除キーがもっとも近い位置にあるというのは非常に文章作成において気持ちがいいです。
英字入力中の打ち間違えとかがホームポジションのままで修正できるのがすごいいい(小並感)
JIS配列の特権?
このようなスペースキーの両隣をBackspace/Enterに割り当てるいうのは実はJIS配列の特権というわけではありません。
というか、キーボードオタクの沼にハマるとJISだろーがUSだろーが納得いかなくなるのでむしろ平等主義になります
僕は現在Dvorak配列(DvorakJP2)を使っていますが、世の中にはJIS準拠のDvorak配列というものは無いようで、JIS配列のままUS配列相当の記号キーを使うという憂き目にあってどっちでも良くなりました。(位置も違うしね)
https://gyazo.com/ca28a57a97f07ac044601d9aefb27732
MacのDvorakモードをJIS配列で使うとこんな感じになります
話がずれてしまいましたが、要はスペースキーの両隣になんか自由にできるキーが2つあれば良いわけです
US配列でも⌘キーの単独打鍵に割り当てればできなくもないかもしれません。
僕が言いたいのはJIS/USどっちがいいという短絡的な二元論ではなく次のようなことです。
キーボード配列、まだまだ全然進化の余地あるぞ
あと、
最下段のキーの数は多いほうがいいぞ
て感じですかね。
機材が揃ったらそのうち入力中の動画とかアップして行こうかなと思います
親指エンターの導入方法
HHKBを買ってキーマップ変更ツールで焼き込むと幸せになります
https://gyazo.com/ba1da356aad136328b2a8ab193e104fe
導入自体は結構簡単なんじゃないかと思います