無料よりも簡単に買えるほうがはるかに大事
もう結構前になるが違法無料マンガサイトが話題になったことがあった
話題になるくらいなのだからとても多くの人がそれを使っていたのだろう
YouTubeやニコニコ動画もその初期は違法コンテンツ共有サイトとして人気を得たので他人事ではない
しかし不登校中学生の時分謎の海外サイト(YouTube)にアップロードされていた涼宮ハルヒを見てオタクの道に走った自分としては今の金のない中高生がそういう違法サイトに手を出しても拳を振り上げることはできない
ネットと違法コンテンツはその初期から切ってもきれない関係で、10年、20年前にもそういう議論は死ぬほどなされてきた
結論から言えば違法なんだから駄目といえば駄目なのだが、現実は少しだけ違う方向に進歩した
YouTubeやニコニコに違法コンテンツがアップロードされまくっていた時代、ネットでアニメを見る方法は殆どなかった
スマホなんてなかったので、Gyaoや各種ケータイキャリアの謎コンテンツくらいしかなかったように思うが、それでコンテンツを消費していた人がどれだけいたのか。自分にはまったくない選択肢だった
北関東の田舎町に育った自分にとってはどんなに見たいアニメでも隣の県のUHF局が深夜に放送してくれなければ見る手段が無かった
DVD化されるのは早くて半年。レンタルビデオ屋に置かれるのかもわからないしそもそも借りられているかもしれない。DVDを買うことなど考えられない。
そういう状況にあってインターネットでアニメが見られるということは衝撃だったし、全部こうなればいいじゃんと思っていた
そしてときは流れて2020年。無料ではないが、アニメはインターネットでほぼ見放題になった。
Amazon PrimeやNetflixなど、月額で言えば1000円に満たない額で放送されているアニメはほぼ見られる
この流れが始まったのは10年代前半からだが、これが当たり前になってしまうと、00年代のあの議論(オタクなら円盤買って信仰心を示せ)は何だったのだろうと思う
有料サブスクリプションの収益モデルがどうなっているのかはさっぱりわからないが、少なくともこういう状況は歓迎である
で、値段はさておきインターネットでお金以外の特別なコストをほとんど支払うことなくコンテンツを得られるようになったのは理想的だと思う
インターネットでコンテンツを持続させるには「それなりの値段で」「簡単に」購入ができることが条件なのではないかと思う
とくに「簡単に」という部分が一番重要で、だいぶ増しになったとはいえインターネットはまだまだお金を払うのが面倒臭い
色々決済手段はあるがどれもメールアドレスやクレジットカードが必要で、現金ほど誰でも簡単に使えるものとは言い難い
この状況はおそらく長いこと変わらないだろう。法律が変わらない限り。
インターネットでの決済の面倒さは、そのままネットでの財布の紐の硬さに繋がる
お金がないわけではないが決済が面倒だから金を払うのが面倒、というのが違法無料コンテンツがのさばっていた(る)大きな理由の一つであることは制作側も認識すべきだと思う
漫画やゲームなどもサブスクリプションモデル化してきているので、より決済の簡単さは注目すべきかと思う
いつの時代もコンテンツの消費の王様は子供なので