組織デザイン
組織デザインとは何か
組織的とはどういうことか
組織と呼ばれるものの特徴は基本的に分業と調整の2つである
分業
役割が分けられ、それぞれの役割を分けることで、たとえば専門性を発揮させるなど、何らかのめりっとをついきゅう!している
調整
分業の一部ずつを担っている人々の活動が、時間的、空間的に調整され、多数の人々の活動が、あたかも一つの全体であるかのように連動して動くようになっている、あるいはそうなろうと努力している
本書では企業組織に限定して議論する
組織デザインの手順とポイント
本書では、まず第一に日常的なオペレーションをスムーズに遂行するための組織デザインに焦点を絞って解説を加える。
組織形態の基本形
機能別組織と事業部制組織
製品や市場への適応が重要であれば事業部制組織を
機能統合によるコストダウンや付加価値アップなどのメリットが大きければ機能別組織をそれぞれ採用する
実際は様々なこの中間形態が存在している。典型的なものとしてマトリクス組織がある。
マトリクス組織は、組織分割の軸そのものを複数にした組織。最高意思決定者のすぐ下に各事業部長を置くと同時に、各機能部門長も置く。
基本型のバリエーションを理解する
一部事業部制
例、
1、各事業部の研究開発部門のうち、基礎研究に近く、前者の事業に潜在的に関係がある研究活動を基礎研究所にまとめ、CEOに直属させる。
2、営業本部が置かれ、各事業部には販売機能を持たない。
3、工場などの生産機能を一部共有させている。
この例のように、基本型からいろいろ手を入れて中間形態として成立せざるをえない。
事業本部とカンパニー制
個々の事業部でも規模が大きくなりすぎたとき、小さく維持し、類似製品・市場分野の事業部が相互に経営資源を共有していくように組織を組み立てるのが事業本部制。
カンパニー制ら、事業部制よりも遥かに個々の組織ユニットの自立性・独立性・分離性を高める。
分業のタイプ
分業の種類
垂直分業
考える作業と実行する作業を分割すること
水平分業
仕事の流れ、作業に沿って分業を行うこと
並行分業
場所や設備などを共有して、生産量全体を分担しあうこと。数量だけでなく、地域別、顧客別に分担を決めることもある
機能別分業
機能に応じてタスクを分割すること
現実では多様なタイプの分業な組み合わされている。
組織形態に対応させると、
機能別組織
直列型の機能別分業
事業部制組織
並行分業
各タイプの分業のメリット
並行分業
共通費の配賦
基本的には類似の作業プロセスを複製したものなので、事故などの突発的な事態に対して強いが、それ以外のメリットは大きくない。
施設やノウハウの共同利用によって、共通費の節約が生まれる。が、あまりに多数の作業者が共有しすぎると混乱が生まれコストが増大する。
機能別分業
そもそも近代社会が分業によって大きなメリットを獲得してきたとういうときの「分業」は、この機能別分業を指している
経済的スタッフィング(経済的で効率的な人員配置)
分割した作業ごとに必要な資質や難易度が違うので、作業者ごとに賃金を節約できたり、能力が高い人に無駄な作業をさせる必要がなくなったり、能力が低い人でも雇用される可能性が高まる。
熟練形成の効率化・知識の専門化
異なる習熟曲線をもつサブタスクに分解できるので、習熟を早めさせたり、達成レベルを高められる。
統合さえできれば、全体として達成できる成果の水準が高まる。
機械の発明と機能的分業の強化
異なる難易度で分割されると、かんたんな部分を自動化・機械化できる。
経済的効果
生産数量・作業者数に応じて生産方法を変えることができるので、これから何年間か使う設備や分業のやり方を構想して、その中で一番適切な規模で安く生産できる作り方を選ぶと、平均費用を格段に低くできる、ということが機能別分業によって可能になる。(規模の経済を生み出す)
創造的な仕事ができなくなることの回避
ルーチン作業に特化する部署と、長期戦略計画を考える部署を分ける、というようなことが可能になる。(必ずしもうまくいくわけではないが)