企業特殊能力が高いエンジニアをどう評価するべきか
会社のブログなどに書くと特定の個人と結びついたりする恐れがあるので、個人の名前で書く。
ここで書こうとも特定の個人について述べているものではないことは繰り返しだがいっておきたい。
ある本を読んでいたとき、日本型雇用システムへの言及の中でこのような話があった。
要約すると以下である。
企業内教育訓練で習得する能力には、いくつかに大別できる。
1. 一般能力
2. 職種専用技能
3. 業界専用技能
4. 企業特殊能力
これらは上から順に、他社に転職しても転用しやすいスキルといえる。
従業員の一般能力(や転用可能性の高い能力)を高めた企業では、その能力向上に見合うだけ賃金を上昇させなければ、その従業員を企業に引き留めておくことが難しく、賃金コストの負担が増加し、転職リスクが高まる。
一方、企業特殊能力(や転用可能性の低い能力)は当該企業だけで役立つスキルであるから、転職リスクが増大せず、その能力向上分に見合う賃金を上昇させる必要がない。
日本企業は、これを年功賃金と組み合わせて、人材を長く保有しながら経済合理性を保っている。
というのが話の流れである。
この仕組み自体は、各社がどういった人的資本経営のスタイルを取っているかで決まってくるものであって、とやかく言うつもりはないのだが、ここで言っている「各能力と賃金の上昇に働く力学」みたいなものについては一考の余地があると思う。
これは自分の中で定期的に考えることで、エンジニアを評価する際に、このあたりで悩むことが多い。
言うなれば、職種専用技能は高いが企業特殊能力が低いエンジニアと、職種専用技能は低いが企業特殊能力が高いエンジニア、パフォーマンスは同じだったとすると、あなたの会社は同じ金額を出すのか、そうでないのか、という話ともいえるかもしれない。
調べていきたいこと
一般的に、もしくは他社事例としてどのような形でエンジニアを評価しているのか
成果のみに着目しているのか、行動評価、360度評価などのやり方をとっているのか、など
給与はどういったことを考慮して決定されているか
特に、職種専用技能のレベルによる市場価値や、経験年数は考慮されるのか
各企業は、この力学をふまえて会社の提供する能力開発においてどのようなスタンスをとっているのか