日本の読者の皆さんへ
「"Polished Ruby Programming'' を角谷さんが翻訳したがっている」と聞いたときはとても嬉しかったです。英語圏でこれほど多くの人に読んでもらえるばかりか、日本語に翻訳までされるなんて、本書を書き始めたときには思いもよりませんでした。"Polished Ruby Programming'' を読んだRubyプログラマーたちからのあらゆるフィードバックに感謝するとともに、本書の成功に身の引き締まる思いです。 筆者は2004年末にRubyを使い始め、たちまち夢中になりました。Rubyがプログラミングをとてもやさしく楽しいものにしてくれたからです。これまで多くのプログラミング言語を使ってきて、どんなプログラミング言語からも学べるものがあると考えています。実際、Ruby以外の言語からも多くを学びました。しかし、Rubyほどプログラミングをやさしく楽しいものにしてくれる言語には出会っていません。私たちの人生は、楽しくないプログラミングをするにはあまりにも短すぎます。だから私はRubyを使います。
''Polished Ruby Programming'' は、それまでの16年にわたる筆者のRubyプログラミング経験をもとに、Rubyプログラミングの考え方を伝えるために書きました。類書とは異なり、本書では読者が「すでにRubyをよく知っている」ことを前提にしています。そのうえで、Rubyプログラミングの原則と、実装方針を決めるにあたって考慮すべきトレードオフについて伝えたいと考えました。この「トレードオフへの注視」こそが、他の多くのプログラミング解説書と本書との違いです。筆者の経験では、プログラミングとはトレードオフをめぐるものにほかならず、「どんなトレードオフがあるかを知る」ことは最重要のプログラミングスキルのひとつなのです。
詳細な技術レビューをしてくれたJanko Marohnićに感謝します。彼の見識と助言がなければ ""Polished Ruby Programming'' はまるで違ったものになっていたでしょう。それから、本書の翻訳に邁進してくれた角谷さんにも感謝します。彼は日本の出版社を見つけ出し、自ら翻訳も手がけてくれました。 皆さんに本書を楽しんでもらえることと、そこから何かを学んでもらえることを心から願っています。いつの日かRubyKaigiでお目にかかり、皆さんが得たものについて語り合いたいですね。そのときまで、皆さんがRubyと共にあらんことを。 hr.icon
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