位相幾何学的なものを 0 から構成してみる
経緯
オイラーの多面体定理というものがあって、任意の穴の空いてない多面体についてこういう式が成り立つらしい $ (頂点の数) - (辺の数) + (面の数) = 2
成立することは数学的帰納法を使えば簡単に示せるが、どうも腑に落ちない
次元を下げて考えてみる
1次元だったら$ (頂点の数)-(辺の数)=1になる
これは点と点の間に線を引くしかないのだから当たり前
2次元だったら$ (頂点の数) - (辺の数) + (領域の数) = 1
どこも囲われないように図形を作ると1次元と同じになる
囲う時に頂点の数を節約できる
これ三次元なら「空間の数」を引けば 1 になるんじゃない?
この点とか辺とか面の観念を抽象化して集合論だけで構成出来そう 順序対
$ \langle a,b\rangle :=\{\{a\},\{a,b\}\}
$ x':=b\ \left( x=\langle a,b\rangle\right)
図形
図形$ \mathbb{D}とは以下に定義する 0 以上の任意の自然数$ nに対して$ \mathbb{D}_nの総和である
点
点は 0 次元図形$ \mathbb{D}_0である
$ \mathbb{D}_0 := \{\{\{n\}\}|n\in\N\}
$ \langle n,n\rangleと一致するように定義した
辺
辺$ \mathbb{D}_1は自然数と 2 つの点の集合との順序対である
$ \mathbb{D}_1:=\{\langle n,\{x,y\}\rangle|n\in\mathbb{N}\land x,y\in\mathbb{D}_0\land x\ne y\}
面
面$ \mathbb{D}_2は自然数と有限個の辺の集合との順序対である
$ \mathbb{D}_2:=\{\langle n,A\rangle|n\in\N\land A\subset\mathbb{D}_1\land A \ne\empty\land Aは以下を満たす\}
$ \forall x\in A,\ \forall a, b\in x':
$ a\ne b\Rightarrow (\exist y\in A,\ \forall z\in A:\ (x\ne y)\land (b\in y')\land(x\ne z\land y\ne z \Rightarrow b\notin z'))
$ \forall X\sub A:
$ X\ne\empty\land(\forall x\in X,\ \forall a\in x',\ \forall y \in A:\ a\in y'\Rightarrow y\in X)\Rightarrow X=A
A に含まれる全ての辺 x と、その辺の点 a, b について
a と b が異なる=両端の点のとき、b を含む x と異なる辺が A の中にただ 1 つ存在する
つまり行き止まりや分岐が無いということ
A の部分集合 X について
X が含む任意の辺と点を共有する辺が全て X に含まれるように X を用意すると、X は A と一致する
つまり、A の中で独立した辺や点が存在せず全てひと繋がりになっている
n+1 次元領域
1 以上の自然数$ nについて領域$ \mathbb{D}_{n+1}を以下のように定義する
$ \mathbb{D}_{n+1}:=\{\langle m,A\rangle|m\in\N\land A\subset\mathbb{D}_n\land A \ne\empty\land Aは以下を満たす\}
$ \forall x\in A,\ \forall a, b\in x':
$ a\ne b\Rightarrow (\exist y\in A,\ \forall z\in A:\ (x\ne y)\land (b\in y')\land(x\ne z\land y\ne z \Rightarrow b\notin z'))
$ \forall X\sub A:
$ X\ne\empty\land(\forall x\in X,\ \forall a\in x',\ \forall y \in A:\ a\in y'\Rightarrow y\in X)\Rightarrow X=A
面の定義と同じ
1 次元下の構成要素の集合によって形成され、分岐や終端を持たず、全てひと繋がり