任意の値に収束する級数
交代級数
$ \frac{1}{1}-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}-\frac{1}{6}+\cdots=\log{2}
この級数はこの並びだと$ \log{2}に収束するけど、並び替えると任意の値になる めちゃくちゃ不思議な話なのに証明自体はとても単純で面白い
条件収束とは
数列の和が収束していてかつ、その数列の各項の絶対値の和も収束する
数列の和は収束するけど、その数列の各項の絶対値の和は発散する
任意の値に収束させられるとは
条件収束は普通に足すと収束するのに絶対値を取ると発散してしまう
ということは数列の要素は正に発散する項のグループと負に発散する項のグループに分けられる
具体的には交代級数の例では
奇数番目の項だけで和を取ると全部正だから正に発散(これが発散する理由は調和級数と同じ) 偶数番目の項だけで和を取ると全部負だから負に発散
収束させたい値を $ x とし、これは正だとする(負の場合は手順の正負を入れ替えるだけ)
$ xより大きくなるまで正の項を足す
正の項だけの数列は正に発散するのだから$ xがどんな値でもいつかは超えられる
$ x より小さくなるまで負の項を足す
同様の理屈でどんなに差が大きくても足し続けていればいつかは$ xより小さくなれる
これを延々と繰り返すことができるので、条件収束する数列の和は並び替えるだけで好きな値に収束させられると言える
それが具体的にどんな順序になるかは知らんけど、項は無限にあるから無限の彼方では収束してると言える
無理数が具体的に桁の値を言えなかったとしても「その値が存在する」「小数表示できる」と言えるのと同じ
極端に大きな値とかにすると正の項ばかり使って負の項が余るような気になるけど、その差は無限の彼方では 0 と同じになる