ParaSights:両眼視野闘争によって2つの環境と並行してインタラクションできる空間提示手法
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概要
本研究は、複数の空間と並行してインタラクションできる仕組みとして、両眼視野闘争の特性を活用した手法を提案する。複数環境の同時体験インタラクションとして、従来は視野分割やオーバーレイといった手法が試みられてきたが、それらは操作効率の低下や自己投射性の欠如といった課題があった。本研究では、左右それぞれの眼に異なる第一人称視点を提示する「ParaSights」を提案し、視点切り替えの操作を必要とせずに、2空間と並行してインタラクションできるシステムを実現した。ParaSightsは、左右それぞれの眼に異なる視点を提示することで視覚闘争を誘発し、2視点の見え方が無段階に切り替わる仕組みである。これにより、体験者は2つの環境に同時に没入し、直感的に操作できる。11名を対象とした試用により、VR酔いを誘発することなく、異なる2つの視点を同時に知覚できることが明らかになった。また、視野闘争がもたらす知覚の切り替わりが、体験者の意図により一定程度制御できる可能性が示唆された。
山本 航世, 渡邊 恵太. ParaSights:両眼視野闘争によって2つの環境と並行してインタラクションできる空間提示手法. WISS2024予稿集