仮想物体の剛性知覚に影響を与える 仮想手の指先形状の変化を用いた疑似触覚手法
#2025年 #DomesticConferences #インタラクション #Presentation
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概要
本研究では,ユーザがVR空間でのオブジェクトに触れた際にバーチャルハンドの指先形状が変化することによって剛性の知覚を視覚的に操作する,疑似触覚手法に基づいた新しい触覚提示手法を提案する.これまで疑似触覚は,オブジェクトを変形させることで感覚を想起させていたが,我々は人が指先で物体に触れる際に,指先が変形する現象に着目した.本研究ではバーチャルハンドの指先形状の変化による疑似触覚を検討する.実験1では,バーチャルハンドの指先形状の変化量を決定するため,その変化がユーザの身体所有感にどのように影響するかを検証した.実験の結果,身体所有感を高い水準で維持が可能である2.25倍を指先の横幅の最大変化量と定めた.実験2ではVR空間でバーチャルオブジェクトに触れるタスクを行い,バーチャルオブジェクトに対する剛性知覚を評価した.その結果,バーチャルハンドの指先形状の変形度が小さいとオブジェクトを硬いと知覚し,一方で変形度が大きいと柔らかいと知覚することが確認された.このことは,ユーザの動きを制限する触覚デバイスを利用せずに触覚提示ができ,自然なVR空間でのインタラクションの幅が広がる可能性を示している.
森本 浩輔, 橋浦 健太, 渡邊恵大.仮想物体の剛性知覚に影響を与える 仮想手の指先形状の変化を用いた疑似触覚手法: 情報処理学会, 286–296 p.