あアラウド法における表情の有無が感情評価に与える影響の調査
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概要
タスクをしながら頭に思い浮かんだことを語る思考発話法では,ユーザの心理プロセスを獲得できる.しかし,言語化の負担やユーザによる語彙の差,データの収集とその評価が難しいなどの問題がある.これに対して,川島らは感嘆詞「あ」の発声を用いて体験中の感情をリアルタイムに観測する手法,「あアラウド法」を提案した.しかし,あアラウド法は体験中の声とゲーム画面のみから感情を推定しており,分析者間での一致度には改善の余地がある.そこで本研究では,あアラウド法の分析対象に体験中の表情を加えることで,覚醒度および快度の一致度が向上するかを検証する.結果,覚醒度においては表情を加えたことによる大きな差はなく,快度においては表情を加えた場合に一致度が向上した.議論では,実験結果から明らかになった課題を踏まえ,分析対象の選定について言及し,あアラウド法のさらなる精度向上に向けた今後の研究の方向性を示した.
藤田 のどか, 大見 亮介, 山岸 丈留, 安中 勇貴, 能丸 天志, 渡邊恵大. あアラウド法における表情の有無が感情評価に与える影響の調査. インタラクション2025予稿集, Vol. 2025, pp. 1082-1087.