時のかけらたち
#紀行文について
帯に邂逅云々とあるようにヨーロッパ自体の歴史認識についてのみというより、むしろそれ以外が主にエッセイを構成しているが、ヨーロッパ人(主にイタリア人)との個別の遭遇を細かく見つめているという感じがする。細かく見つめがいのある邂逅を取り上げているというのは間違いないし、ジャックの話なんてやはり時系列が深くなればなるほどエッセイにも深みが出るというもので、ああいう邂逅を得ていく共同体主義は仕事ではない(仕事ではある)アカデミアっぽさがうらやましいという気持ちになる