全て企て
可能性領域に現実性を足すのではなく、可能性領域から可能性を抜くことで現実味が知覚される。想像力とは一見可能性領域を張り巡らせることに聞こえるが、そうではなく可能性の抜き方のことを指すことが多い。 可能性の抜き方で最も頼りになる手すりが用語であり道具である。自信を持って僕らが存在する以前から存在しているような表情ができるのは、彼らの過去の成功体験のおかげでしかなく、この自信にうまく便乗することは現実を上手にコントロールする唯一の方法に見える。
未来に存在しないだろうものを予告するのは不可能であるように、道具の手すりは未来までのびていない。現実性に依拠しない形で未来の可能性領域が張られていることは定義からわかるので、より創造的なのは未来の可能性領域を現実の担保なしに予測することである。
これは常に企てのみがアウトプットになり、全てを企てのまま評価する必要があることを示す。人間としての視点は今のところ必要ではない。カントとハイデガーによる企てを引き継いで0から1を作る