SESの初期段階における社会的ネットワークの役割
先行研究
チェコのテクノロジー系スタートアップ約100社を対象にアンケート調査を実施し、起業家の社会ネットワークと資源獲得を分析した研究。調査では、起業家が個人ネットワーク(家族・友人・同窓生・同僚など)を活用して情報・資金・顧客などを取得する実態が示された。
結果では、ビジネスパートナーやエンジェル投資家が初期段階で顧客獲得や技術・マーケティング助言などの面で重要な役割を果たすこと、さらに友人ネットワークが製品・サービス開発に寄与することが明らかになっている
nascent ecosystemにおいては、起業家同士の結びつきが乏しく資源流通のネットワークも限定的であると指摘。時間とともに企業成功が蓄積し、企業のEXITや人材流入により新資源が創出されることで、起業家文化が醸成されネットワークが強化され、エコシステムが成長していくモデルを提示している。
このプロセスによって、エコシステムは外部ショックに強いレジリエントな構造を獲得すると論じている。