EE研究レビューの購読
研究課題一覧
Eとは何か、どのような要素(アクター、制度、プロセス、文化的・社会的・物質的属性など)で構成されるのか、という基本的な問いが継続的に議論されている。
概念の曖昧さ('fuzzy'さ)や比喩的な使用 も指摘されており、明確な定義や分析的枠組みの構築が課題
Eをどのように測定し、その質やパフォーマンスを評価するのかという課題がある。
定量的な指標開発の試みはあるものの 、特に文化やネットワークといった要素の測定は困難が伴う。
EEがどのように形成され、時間とともに進化・発展していくのか、そのメカニズム(因果関係)の解明が重要な課題。
静的なフレームワークだけでなく、動的なプロセスやライフサイクルに着目した研究が求められている。
経路依存性やアントレプレヌリアル・リサイクルも関連する論点。
これらを考慮したうえで、どのような研究手法をとれば目的整合性があるのか?hiragi.icon
EEは地域固有の文脈(歴史、文化、制度、産業構造など)に深く根差しており、その地域性をどのように理解し、SES形成に反映させるかが課題。
成功事例(特にシリコンバレー)の安易な模倣ではなく、地域ごとの特性に基づいたアプローチが必要。
今回の研究ではここにどれくらいアプローチできるかは未定hiragi.icon
以下の「地理的スケール」に応じた「地域ごとの特性」というのがあるので、どの次元の話をしようとしているのかに依存するhiragi.icon
地理的スケール(都市、地域、国)の問題も重要です。
どのスケールでSES形成をしようと試みているかをはっきりさせた方がよさそうhiragi.icon
理論的に未発達なEEは、既存の関連理論(クラスター理論、イノベーション・システム論、ネットワーク理論、制度理論、進化経済学)との関係性を明確にして、経営学・社会学における理論的な貢献を深める必要性がある
EE研究は先進国が中心であり、新興国に合わせたEEの特性(資源の不足、構造的ギャップ(?)、制度的空白)を理解し、その文脈に合わせた理論構築と政策提言が求められている
(Cavallo et., al, 2019)のレビュー論文
非常に良いレビューで、EEに対する理解が進んだhiragi.icon
本論で提示されているもの
従来,提案されてきた定義
関連概念(~~エコシステム)の先行研究
調査の方向性
Study the main entrepreneurial dynamics and thier governance
これは俺のやりたいことではあるが、実際にできるかどうかわからないので、先行研究の手法を参考にしつつ可能かどうかを見極めるhiragi.icon
EEのコンセプトとしてはset of interdependent actors
Start from analysis of sub-systems or microsystems part of the wider Entrepreneurial
これはEEの初期段階を研究する上でよいアプローチかもしれないなと思った。システム全体をとらえることはできないので、「どのサブシステムに注目するか」を抽出したうえで、このアプローチを採用するという研究手法はアリかもしれないhiragi.icon
EEのコンセプトとしてはset of interdependent actors
Focus on innovative and growth oriented entrepreneurship
暗黙的に「これをやらねばいけないのか?」と思っていたが、これも研究のイチ方向性でしかないのだなと認識hiragi.icon
EEのコンセプトとしてはenable productive entrepreeurship
Focus on specific territory
EEのコンセプトとしてはwithin an territory
Ecosystem
将来的な研究の道筋
これがめちゃありがたいhiragi.icon
EEはどのように形成されるか
EEはどのように成長(育成)されるか
EEの持続可能性はどのように確保されるか
システムダイナミクス方法論(SD)はEE研究をどのように支援できるか
複雑で動的なシステムの研究は決して簡単ではない。特に静的な観点から複雑で動的なシステム全体をモデル化する場合には。この問題に対処するために、学者はSDやシュミレーション方法論を利用しようとしてきた。他の学者はネットワーク分析を利用しようとしてる(Neumeyer et al., 2017)。
政策立案者はどの重要なEEサブシステムにより大きな優先順位を与えるべきか
重要なEEサブシステムはどのように相互作用するか
重要なサブシステム間、および重要なサブシステムと重要でないサブシステム間の主要な関係は何か
また、これとは異なる方法論として「主要なサブコンポーネントとそれらがどのように相互作用するかに焦点を当てる」ことが提案されている(Simatupang et al., 2015)。
サブコンポーネント(サブシステム)とは、例えば新規ベンチャー、インキュベーター、投資家で構成される。
EEの重要なサブシステムを特定すること、相互作用を研究すること=重要なサブシステムと重要でないサブシステムを区別すること
新規デジタルベンチャーの成長を可能にする要因は何か
新規ベンチャー(企業レベル)の成長とEE(システムレベル)の成長の関係は?
EEとデジタルEEの間の主要な類似点と相違点は何か
"productive entrepreneurship" という言葉に表現されるように、暗黙の内にイノベーションと成長志向に関連づけられている。しかし、すべてのデジタルベンチャー(おそらくITのこと)が革新的である必要もなく、他のDeepTechと呼ばれるような産業が革新的でないことも当然である。
これはSFをはじめとするソフトウェア産業を中心とするEEとその他のEE(例えばBoston)を比較して論じているものと思われるhiragi.icon
https://scrapbox.io/files/6810855419f8a0b9ddaa5782.png
EEの最適な分析レベルはどのように特定できるか?
デジタル化/グローバル化の進行にもかかわらず、地域的な見立て(次元)は依然として関連性がある(Autio et al., 2017)。従来は、都市・地域・国家レベルでEEを調査してきたが、依然としてどのレベルで調査すべきか?という問いは残る。
例えば、ネットワーク分析を使用して関係の密なネットワークがどこにあるかを特定することができる
研究手法について
特定の地域や都市のSESを深く掘り下げて分析する手法。単一ケース、複数ケース比較が用いられる。データの収集方法としてはインタビュー、観察、アーカイブ資料などが挙げられる。
Mack and Mayer (2016)
Spigel (2017)
(Acs et al., 2017)
(Saxenian, 1994; Kenney and Patton, 2005)
Sillicon Valleyについて
(Feldman, 2001)
Washington DCについて
(Aoyama, 2009)
Kyotoについて
他にも事例たくさんhiragi.icon
東大AIエコシステム
SESに関する既存研究を整理・統合し、研究の現状や今後の方向性を示す
メイン5つ
定性的なデータや既存理論に基づいて、EEに関する新しい概念や理論的フレームワークを構築する
(Kuratko et, al., 2017 )
(Alvedalen and Boschma, 2017)
定量的研究
EEの構成要素や質が起業活動率、企業の成長、経済成長などに与える影響を統計的に「検証」する研究。パネルデータ分析や多変量解析などが用いられる。
Acs et al. (2014)
これがけっこう参照されているなという印象
(Bruns et al., 2017; Content et al., 2020)
経済成長のために、エコシステムが変数としてどのような役割を持つか?を研究しているっぽい
EEの状態や質を測定するための指標を開発し、地域間比較などを行う。大規模なデータセットが利用されることが多い(GEM, 世界銀行, OECD)。
(Kshetri, 2014)
EE間の比較をアントレプレナーシップ研究における伝統的な尺度(雇用創出など)を用いながら実施
Bell-Masterson and Stangler (2015)
指標開発の必要性を早期に訴える
EE内のアクター間の関係性(ネットワーク構造、密度、中心性)を定量的に分析する手法
(Neumeyer et al., 2017)
Agent-base-ModelingやSDを用いてEEの動的な変化や相互作用をモデル化・分析する試み
Carayannis, E. G., Provance, M., & Grigoroudis, E. (2016). Entrepreneurship ecosystems: an agent-based simulation ap- proach. Journal of Technology Transfer: 1-23.
Agent-base-Modeling
(Yearworth, 2010; Yun et al., 2017)
SDによるモデリングの試み
そのほか
Q手法
主観性を体系的に研究する手法
hiragi.iconどれだ?見つからん
実験計画法
EEに関連する因果関係を厳密に検証するための実験的アプローチの導入が提唱されている
どれだ?見つからんhiragi.icon
(Wurth et, al., 2022)のConclusionより
要素の相互依存性
エコシステム開発の初期段階では「アンカー組織」が重要なアクターになると言われているらしいhiragi.icon (大学、企業:Agrawal & Cockburn, 2003; Feldman, 2003参照)
これの妥当性として、VCにおける「コーチ機能」(not スカウト)やTech企業における人的資本を補う方法(?)とも経験的に一致しているとのころ(Colombo & Grilli, 2010)
outputs
非常にまれなoutputsであるユニコーンやガゼル企業といったVC投資を受けて経済的に成功した企業ばかりがoutputsとして注目されてきた一方で、異なるエコシステムの構成がどのように異なるアントレプレナーシップのoutputsにつながるか、という経験的なエビデンスが見つかってきている つまり、「異なる【レベル】だけでなく、タイプのアウトプットがある」ということhiragi.icon
そうすると、まずoutputとして数えられている「アントレプレナーシップ」のタイプってそもそも何?というのを理解しなければいけないので、アントレプレナーシップ研究のレビュー論文を参照するべきかhiragi.icon
あと、「社会起業家」、つまり投資額の2倍~10倍程度の成果を生み出すと想定され、社会課題の解決に邁進する起業家を想定するときに「どのようなアントレプレナーシップがあると指摘されているのか?」という問いにも答えられる必要性がある。hiragi.icon
outcomes
面白いと思ったものを各研究ストリームの中から以下にチョイス
EE研究を深化する
起業家のストレス、うつ病、その他の精神衛生問題の蔓延は、EEの進化とどのように関連しているか?
地理的近接性の重要性が変化する中で(例:在宅勤務、リモートワーク、デジタル経済)、EEの概念は実行可能か?
どのようなプロセスがEE内の既存の権力構造と関係性を維持するか?
EEの成長を全体的な経済的および社会的改善に結びつけるプロセスは何か?
EEの概念は、アントレプレナーシップを積極的に「育てる」能力について、誤解を招く過信を示唆していないか?
EE研究を広げる
アングロ・アメリカン中心の文脈から、発展途上経済や非技術ベース経済におけるEEの多様性を受け入れるように研究を移行するにはどうすればよいか?
EEは初期条件に非常に敏感であるため、実践者や政策立案者は文献からの洞察をどのように適応させることができるか?
「初期条件に敏感である」という指摘はどこに存在するか?hiragi.icon
研究者と実践者/政策立案者のコミュニティをどのように構築できるか?
文献で研究されている関連プロセスは何であり、それらは起業家の実践とEEの発展にどのようにマッピングされるか?
シミュレーションや実験手法を用いて研究されているエコシステムのアクターや資源の種類は何であり、そうでないものは何か?
学術研究者と実践者はどのように「アントレプレナーシップ・エコシステム知識プラットフォーム」を共同創造できるか?