スタートアップのマネタイズアプローチ
僕たちは、スタートアップの企業ですが、スタートアップと大企業とでマネタイズのアプローチが違うかというと、実はそこまで変わらないのではと感じています。大企業で新しいテーマを研究するとなると――トップダウンの場合も、ボトムアップの場合もあると思いますが――最初はおそらく数十万円、数百万円の予算枠を取り、実現可能性が高そうであればもう少しずつ追加の予算獲得に動くかと思います。
違いがあるとすれば、大企業の研究開発組織の場合は社内から資金を得ようとしますが、スタートアップは、そのお金を市場、つまり投資家から獲得しようとします。社内から資金を得るか、市場から得るのかというだけの違いです。
一方で、スタートアップでなくてはできないと思うアプローチもあります。例えば、あるプロジェクトに非常に高額な開発費がかかり、最終的な売り上げが1000億円と仮定した場合に、数兆円の売り上げを持つ大企業においては、その成果は株価の数パーセントを動かす程度の規模です。失敗する可能性もあり、株価がそれほど大きく変動しないリターンに対して、リスクを取ることが正当化されるでしょうか?
これはスタートアップの強みでして、スタートアップの株は最初はほぼゼロですから、失敗したらそのままゼロですけれども、成功したら1000倍、1万倍になります。そう考えると、スタートアップにとって挑戦の価値は非常に大きいんです。
↑これがリスク許容度の高い資金源の存在意義であり、そこから資金調達をする意義hiragi.icon