モブプログラミングの課題(中間状態)
モブプログラミングでの成果は以下のものがあった。
概ね解決したかった課題がそのまま解決されたが、別の課題も出てきた。新たな課題はそれまでの課題より解決する優先度が必ずしも高くないようなものだが、いずれも小さくはない課題である。
課題
ドメインに特化している話など、必要とされる技術的な専門知識が少ない議論においては、スキルレベルの差は問題を起こさないが、技術的な専門知識を要する議論でスキルレベルの差がある場合、知識レベルの高い層が低い層にほぼ一方的に知識・スキルを与える、もしくは手助けするのみで、知識レベルの高い層にとっては得るものが少なく、ギブアンドテイクの構造になっていない。
知識レベルの高い層がさらなる成長のできる構造にはなっていない。
スキルレベルの差がある状態における技術的な専門知識を要する議論に価値は十分にある。またそれは、組織にとっても非常に好ましい成果を残すのは大前提。
要するに、組織のスキルレベルの最低ラインは上がるが、最高ラインが業務時間外の個人の努力にかなり依存してしまう構造になっている。
最高ラインを上げるための活動をする時間を業務時間内に設けるのはどうか < いまここ
それもモブプロでやって最低ラインとともに最高ラインを上げればいいんじゃないの?
最高ラインの理解できるものを、最低ラインは少なくともすぐには理解できない。
最高ラインが最低ラインに教える、というのは最終的にはするべきだが、高次の技術は低次の技術の上に成り立つ世のことわり上、最低ラインにも低次を理解させる必要があり、それを研究開発中や調査中に行うのは最高ラインにとっては効率が悪すぎる。
そもそも個人の成果と呼べるものがないと評価が難しい。
この問題はモブプロ案が出始めた当初からあり、まだ解決していない。
報酬が一律でない限り、個人の成果がなくチームの成果のみというのは評価が非常にしづらい。
最高ラインにとっては、最低ラインを成長させるという成果があり、最低ラインは自身が成長するという成果があるとも言えるが、それらは以下の問題を抱えている。
何をもって成長した、といえるかの計測が難しい。
最高ラインと最低ラインの報酬が比例して上下する必要がある。
最高ライン、最低ラインどちらかが問題を抱えているせいで最低ラインの成長が芳しくない場合、お互いの対立構造が生まれてしまう可能性がある。(あいつがちゃんと教えないせいで / あいつの成長が遅いせいで)
技術レベルとその理解の速さは指数関数的に比例するため、専門的知識を要するある種の業務は、最高ラインに先に進んでもらってあとで最低ラインを引き上げてもらうようなイメージでの活動が合うときもあるのではないか
自分がやりたいことがある(完成形のぼんやりとしたイメージがある)状態で、その解像度を高めて実現させるための実験、試行錯誤、調査をしたいが、その時点ではまだ言語化できないため共有できない。
その調査の時間をモブプロ中に取ることもできなくはないだろうが、イメージが共有できていないため、本人以外のやることがなくなる。