Drupal Starshotを知る
DrupalCon Portland 2024 で Drupal Starshot という 新しいDrupalを目指すよという発表があったので自分なりにまとめてみた。
Drupal Starshotの情報
日本語の動画。とてもオススメ。
core 10.3 の機能、プロジェクトブラウザ・レシピのモックが確認できる
Starshotは何を解決するのか
Starshot はプロジェクト名のようなものと認識していて、これが完成できると新規構築・保守が楽になるんじゃないかなと解釈しました。
インストール後の機能拡張が実行しやすくなる
インストール直後、何をしたらいいか分からない問題を少し解決する
インストール時、もしくはインストール後に自分が構築したいサイトのレシピが提供され、ブラウザ上の操作のみである程度サイトが完成できる
多言語化、APIメインのアプリ、会員サイトなど用途にあったレシピを適用したら完成、というイメージ
ほぼ導入必須のようなコントリビューションモジュールが同梱されているようになるので、初期インストールのみで色々な機能が利用できる
サイト保守が楽になる
Coreやコントリビュートモジュールの自動バージョンアップが提供され、手間なくバージョンアップできる
Starshotは何を目指すのか
Drupalの徹底的なローコード・ノーコードアプリ化を目指している
少し前はCMSじゃなくてフレームワークだよと言っていた気がするが本格的にローコード・ノーコードへ舵を切ったとお思った
時代の流れや今Drupal自身が保持している機能を考えると合っているよう思う
エンタープライズより中小規模のサイトでも利用を増やした、裾野を広げたい (Drupal Meetup Tokyo 92の後、追記)
いつ完成する?
2026年のDrupal12リリース時にすべて完成していたらすごいと思っている
(追記) Drupal11.1 に入りそうな勢いで進行している
インストール処理の再設計がタスクにありこれがでかいと思う
なぜならばこのあたりはSymfonyを土台にする前のDrupal7のコードをかなり流用している。これを機会に刷新するんじゃないかと思ってる。
自動更新アップデートも実は大きい機能だと思う。現在、Composer、DBの更新 & Configration Management、Gitを駆使してアップデートしているものをブラウザから一発アップデートする機能を作るということなので工数大だと思う。
コントリビュートモジュール、レシピのコントリビューションなどの運用面の検討も必要
Coreと一緒に同梱されるコントリビュートモジュールのバージョンをあげた途端エラーが発生するのは辛い。バージョンアップまでのチェックや手順が増加するのではないかと思う。
レシピもきっとコントリビューション化されると思うが、モジュールやテーマみたいに配布する仕組みはまだないと思っている。
Drupal開発者はどうなる?
フロントエンド、バックエンドエンジニアよりアンビシャスサイトビルダーの割合が増加すると思う
コードを書く人よりサイト設計しつつそのまま実装・完成できるアンビシャスサイトビルダー = ローコード開発者の需要が増えるのではと思う。
ただその機能はPHPで実装しなければならないのでバックエンド・フロントエンド開発者の人数はそのままでサイトビルダーの人数を増やしてDrupal利用を増やしてオープンソースとして生き残る戦略だとも思う。
かつてSIerやその下請けとしてコード実装やプロジェクトマネジメントをやっていた人たちがローコード開発に流れているのでそういう人材もDrupalがもっと取得できると良いと思う。
以上、Drupal Starshot 公開直後の解釈でした。
直近やりたいこととして、レシピ機能の実態を理解してレシピを作れたらいいなと思います。