脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは
まず、最初にお伝えしておくと、私は走ることが大嫌いです。あんなカラダに悪いもの、ぐらい思っています。
それでも「ランニングが脳を活性化する」というエビデンスはたくさんありますし、その有用性も認めざるを得ません。 脳というのは、もともと未来に備えるために発達してきました。過去のデータを元に、将来起こることにどうやって対応するか、事前に準備をするために脳があるのです。
そう考えると、空間を移動するというのは、すごく原始的で最も忠実な脳の使い方なんです。
例えば、私が扉を開けて部屋を出て、エレベーターに乗るとしましょう。これは日常の動作の一環ですから、意識の上では私はほぼ何も考えずに自然と行動しています。
その程度の行為ですら、脳はどの道を通って、どこまで行くか、無意識のうちにスケールをシミュレーションして、ルートのプランニングをしているんです。
実はこの脳のプレディクティブ(予測的)な働きと、移動することでの空間学習が海馬を活性化させていると考えられます。
もちろん海馬は活性化されますが、毎回違うルートにしたり、初めての道を走るほうが、脳に新しい地図が加わって、より海馬が活性化されます。
せっかく走るなら、室内トレッドミルよりは屋外のほうがいいし、同じコースや周回コースを走るなら、初めての道を選ぶことをおすすめします。
例えば河川敷のような同じコースしか走れないという人は、出発点は同じでも今日は北から南、明日は南から北など、方向を変えるだけで違います。マンネリを避けてあげることが大切なんです。 よく「やる気ってどうしたら出るんですかね」なんて、よく分からない質問をしてくる人がいます。 多くの人は、やる気というのは行動を起こす原因だと勘違いしています。
実は、やる気は行動の原因ではなく「結果」です。だからやり始めない限り、やる気はでません。 やる気が出たから走るというのはダメで、まずその日走り始めることが大切なんです。そうすると走りながら「じゃあ、もっと走ろうかな」と思ったりする。これがモチベーションなんです。 これは学校の成績をおいても同じです。モチベーションを待っている人は、できない人。できる人ほどシステムに従います。時間が来たから始めるとか。
「やる気」という単語は、できない人によって創作された言い逃れのための方便です(笑)。