新人研修担当向けのレクチャーメモ_2018年
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■長期目標
※社会人一年目でビジネスマンとしての基礎をしっかりと学べれば、
仮に転職したとしても食べていける力を発揮することができる。
■長期目標に対するキーワード
※『自走』型人材とは:
ある目標/ゴールに対してのプロセス/フローを、
能動的に取捨選択して達成に紐付ける力を持っている人材。
(時には目標自体の再設定や足りないスキルを学びに人や情報に接点を持てる力も含む)
■『自走』型人材に必要な力(プレイヤー編)
→セルフモチベーションコントロールも含めた、能力開発のための『成長志向』
(外部環境の変動が多いVUCA社会では、ストレス値も大きく変動するため、それについての対処力も必要)
※当人にとって理不尽とも思える事業の外部環境の変化は常に発生するリスクがある
1.最低限度のビジネス知識
→ビジネスを取り巻く環境を理解するのに必要な知識や実行における最低限度の力
(ビジネスマナー / ツール&ソフトの活用力 / 会計知識)
→「目標」から「なぜ?」を繰り返しアクション策定をする力
→アクションを実施する際に人を巻き込んでいくための力
マインドセットによりビジネスマンとして受け身ではなく「能動的」な姿勢を作り、
最低限度のビジネススキルより自分を取り巻く「環境の理解」や「アクション実行力」の基盤を作り
思考力を向上させることで「目標に対するアクション構築力」を磨く、
さらにコミニュケーション力を向上させることで「巻き込み力」を発揮し、「成果を最大化」させる。
※備考:事業責任者として必要な素養(プレイヤーの領域を超えた際に求められる力)
当事者意識により「課題発見」をして、
リーダーシップによって「到達すべき未来(ビジョン)」とそれを達成する「戦略」を描き
マネジメントによって「リソースを最大活用」しビジネスを推進していく。
[短期的なゴール]
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■短期目標
既存ビジネス領域で1人で稼げる状況を作ることでビジネスの現場における「成功体験」(≒自信)を創出する ※当人にとって多少難易度が高い経験を失敗を繰り返しながら成功体験に変えることで、
今後の長いビジネス経験の第一歩をスムーズに後押ししていく。
■目標達成のために必要なプロセス
①目標をすり合わせる
②目標達成のための『型』を教える(目的背景+作業方法)
③『型』を使って達成をする
④、①~③のサイクルを何度か繰り替えす
⑤次の目標をすり合わせる
⑥今度は目的だけ教えて具体的な作業については今まで教えた内容から取捨選択させる
⑦与えられたオプションを自ら選択して達成する「成功体験」を体験させる
※まずは『型』≒引き出しを増やして、その後、それを自由に引き出せさせるようにする。
上記プロセスを繰り返す日常の中で、「マインドセット」「ビジネス知識」「思考力」「コミニュケーション力」を磨いていく。
[育成指導におけるノウハウ]
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■教え方の4象限
▼教え方の2つの軸
①目的 / 背景を教える
②作業方法を教える
▼④象限で考える
1.目的有り&作業方法有り = 『型』のレクチャー
2.目的有り&作業方法無し = エンパワーメント & 自走
3.目的無し&作業方法有り = 指示&命令(作業屋/オペ)
4.目的無し&作業方法無し = ぶん投げ
→最初は『型』のレクチャーから入り、
定着が見受けられたらエンパワーメント&自走に切り替える
※『型』で教えられることはwiki化しておくと楽
▼育成指導区分
・① ティーチング:『型』レクチャーの水準での教育指導 (教師的に教える姿勢) ・② コーチング:エンパワーメントの水準での教育指導 (目的を与え、手段を選択させる / 答えを教えない限定質問を使う) ・③ メンタリング:長期的な視点での能力開発をしていくためのマインドセット ティーチングで『型』を教え、
コーチングで『自走』体験を与え、
メンタリングで中長期的な『個性(バリュー)』開拓を進める
※限定質問の例
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・販売量が落ちた理由を考えてくれるかな。僕も手伝うから。
・利益が落ち込んでいるね。どうすればいいか考えよう。
・コーヒーが切れていたり、トイレが汚れていたら、お客さまはどう感じるかな?
・給油のお客さまのついで買いは、売上げの大事な一部だから、ガソリンに水分が混入しないように気をつけよう。
・たびたび売上金の計算が合わないけど、お客さまに損をさせていないかな?
・店にとって第一印象は大切だけど、今朝の駐車場の状態をどう思う?
・商品ルームが散らかっていたら、商品を見つけられなくて、お客さまに品切れだと答えてしまうかもしれないよ。
・今週は店員にどんなトレーニングをしましたか?
・棚の商品交換のスケジュールはどうなっている?
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日本のリーダーがほめることにこだわるのは、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」という部分の言葉だけがあまりに浸透しすぎたからかもしれない。
だが、あの言葉には「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」という続きがあるのだ。
松下幸之助は、繰り返し同じ質問をした(愛情をもって尋ね続けることで部下を育成)
※コーチングフェーズでうまくいかない場合の注意事項※
1.目的/背景の認識すり合わせができていない
2.トレーニーの「型」の引き出しが貧弱なため、目的に追いつかない(気付きのヒントが足りない) →よく発生する例は2。
「自分の思ったように動いてくれない」というフラストレーションが出てきた場合は、
「型」の教え漏れがないか考えてみると良い。
■Trelloでのタスク管理
Doneリストを作り、アーカイブ作業を確認兼ねてトレーナーが実施する。
※昼など区切り線を設けておくとなお◯ 退社前に翌日のタスク順を並べておき、そこができた段階で最終トレーナーがチェックするフローがよいかな
■振り返りMTGの参考
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安易にプロセスをほめないことを常に意識しています。
部下が「それでいいんだ」と勘違いしてしまいますから。
プロセスをほめることが、結果的に部下の成長を阻んでいたと気づいたのです。
評価は絶対に結果でしかしません。
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■褒め方について
「間接的なほめ方(AさんがBさんのことほめてたよ)」というのは
「最高のほめ方」なのです。当事者を直接ほめるよりも嬉しさが増してくるのです
「最近いいなって思う人いる?」を口癖にしていきましょう。
不安は放置しておくと、いつしか不満へと変わっていきます。
[その他]
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■初期のマインドセットについて
①お客さまにサービスを提供する
②お客さまから対価をいただく
③会社が社員に給与を支払う
これがビジネスの正しい順番です。この順番が「事実のしくみ」というものです。
しかし、多くの働く人たちは、
①会社が社員に給与を支払う
②お客さまにサービスを提供する
③お客様から対価をいただく
という順番だと誤解をしています。
このような認識をもった人が集まる組織だと、
「事実のしくみ」とは違いますので、必ずその組織運営は破綻をきたします
狩猟民族の時代から、
①マンモスを狩る、
②マンモスを食べるという順番で、
「事実のしくみ」は何ら変わっていないのです。
マンモスを狩ってもいないのに、食べる人が増え続ける組織は必ず破綻するのです
■トップ10ランナー
社員に、『あなたが会社から期待されていると思う仕事を10個挙げてください』
と言って書き出してもらうのです
ありうることです。仕事を10個書き出すという作業
──私たちは〈トップ10プランナー〉と呼んでいます──の有効性がおわかりになったのではないですか?
部下が自分の仕事だと認識していることと、部下が当然やってくれると上司が期待していることのあいだには、
しばしば食い違いがあるのです。
上司と部下が互いにリストを書いて、優先事項を突き合わせることをお勧めしたいですね。
■強みの創出
「〝労力の割に周りが認めてくれること〟が、きっとあなたに向いていること。
それが〝自分の強み〟を見つける分かりやすい方法だ」by任天堂の故・岩田聡元社長
■部下への負荷について
体育会系らしく部下を端から千尋の谷に落とすのも、そっちに行くと危ないぞと先回りして声をかけ、谷に落ちるのを防いであげるのも、どっちもリーダーとしては失格だ。
部下に試練を与えるのは、能力を伸ばすために不可欠だからである。
傷つかないようにと部下に気を使っていたら、いつまで経っても部下は成長しない。
だからといって、一の体力しかない部下に、いきなり十の負荷をかけるようなことをすれば、かなりの確率でその部下はつぶれる。
リーダーは、部下を落とす前に、彼あるいは彼女の実力を見極め、「千尋は厳しいが五百尋なら大丈夫だ」「まずは三百尋で様子をみよう」というように、それに見合う谷を選んで落とす。
これが正解。
さらに、這い上がってくる際の手足の使い方や、体のバランス、コースの取り方などをよく見ておいて、彼は基礎体力が不足している、とか、握力が弱い、などの弱点を把握し、能力のストレッチに最適な谷の前に連れていって、再び背中を蹴るのである。
このように、チャンスは一度ではなく、何度も用意しておくのだ。
このところ、上司から厳しいことをいわれただけでうつ症状になったり出社拒否になったりする若者が多いと聞くが、これは実力と明らかに不相応の負荷をかけているだけの話なのではないかと思う。
実力に見合った負荷をかけられ、それをクリアすることは、本人にとっても快感なはずだ。