GENDAで考えるスタートアップのM&A戦略とロールアップ成立の条件
@makemmd: 上場企業M&A数ランキング、SHIFT・GENDA以外にもグローバルキッズ、ソラスト、揚工舎がランクインと介護保育はロールアップ戦略が活発 時価総額100億円以下、PER一桁〜10x前半がゴロゴロいるし、この中から次のGENDA探すのめちゃ面白そう
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GENDAはエンタメ業界で連続的なM&Aを行うことで成長してきた企業で、IPO前に11件・IPO後に22件という膨大な数のM&Aを実施 創業2年目には2件のM&Aを実施するなど当初から買収には非常に積極的だった同社ですが、大きな転換点になったのが20年12月のセガ エンタテインメント(SEGAのゲーセン事業:現GENDA GIGO)の買収です。 コロナ真っ盛りのゲーセンに大逆風が吹いているタイミングでの、従業員数千人の超大企業を創業3年目のスタートアップが買収する、非常にリスクの高い買収だったと言えます。
しかし、結果的には買収翌年から黒字化に成功しこれがホームランに。SEGA社は直前にゲーセン関連で134億円の減損をしており、ゲーセンのPLに重くのしかかる減価償却費が軽い状態での買収に成功していたこと、コロナの人流の回復に乗れたことが主要因であると考えられます。
例えば同社が得意とするゲーセン業界のM&Aですが、PMI施策は調達の共通化や、ゲーセンの機器を収益性の高いクレーンゲームに入れ替えトップラインを伸ばすというものであり、買収先企業に依存せず非常に再現性高く実行可能だといえます。 プライズゲームが稼ぎやすいのは、胴元なので勝率・収益を調整しやすいこと、IPのファンの推しかつ需要を取り込みARPUが高くなりやすいことが挙げられます。
飲食もゲーセンと併設すればクロスセルが見込めますし、人気IPとコラボすればより大きなマージンを乗せた価格での販売が可能になります。ゲーセンや飲食店、カラオケ等は全て、同社にとってはIPコンテンツとファンを繋ぐプラットフォームになっていると言えるでしょう。
配給会社のGAGAの買収や直近のU-NEXTとの提携は、プラットフォームに載せるコンテンツを仕入れるための取引であり、フクヤを中核としたプライズの企画・販売を行う企業の買収も、コンテンツを収益化させるまでのバリューチェーンの垂直統合と言えます。
個人的にはカラオケだけは、稼ぎ時の大人数の飲み会需要において、チェンソーマンとコラボしているかよりも、一次会会場との距離の近さとハコの大きさが主要な購買決定要因となるため、これまでと違ったバリューアップストーリーが必要なのではないかと思っています。
また、一件一件の買収をよくみるとSEGA買収時のように、非常に経済合理性の高い価格での買収となっていることも見逃せません。
例えば直近のクライナーを提供するシトラム社の買収は売上23億円、営業利益11億円、ネットキャッシュ20億円という収益化済みの超優良企業ですが、企業価値19.8億円EV/EBITDAという超お買い得価格での買収を実施。
同社は、エンターテイメント業界出身の経営陣の人脈を活かし、直接ソーシングしていることを明らかにしており、これによりM&A仲介の手数料が乗らない、相対での非常に割安な買収が可能になっていると考えられます。