台湾で生まれる赤ちゃんの50人に1人が「TSMCの赤ちゃん」でありTSMC社員だけ出生率が異様に高くなっていることが明らかに
台湾にある世界有数の半導体受託製造企業であるTSMCは、最先端チップの約90%を生産しています。そんなTSMCの従業員は台湾の人口の0.3%を占めていますが、台湾で生まれる新生児に限定すると、1.8%(50人に1人)がTSMC社員の子どもであることが明らかになっており話題になっています。 TSMCの従業員が多くの子どもを出産している理由のひとつとして挙げられているのが、同社が家族に優しい職場を目指し提供している「TSMCチャイルドケア給付プログラム2.0」と呼ばれるプログラムです。同プログラムでは子どもを持つ従業員向けに7時から20時まで子どもを預けることができる託児サービスを提供しています。また、TSMCの4つのキャンパスにはそれぞれ2~6歳の未就学児を対象とした幼稚園も併設されているそうです。
他にも、没入型食品農業教育を含むカリキュラムを提供しており、週末には子ども向けに半日の科学キャンプも提供しています。この科学キャンプでは、従業員の子どもがきんかん茶の作り方を学んだり、干し柿工場を訪問したりできるそうです。
また、子どもの親には柔軟なシフトが提供され、授乳あるいは搾乳のための授乳室も用意されています。さらに、妊婦には第1子の場合は12週間、第2子の場合は16週間、第3子の場合は20週間の産休が提供されるそうです。
TSMCチャイルドケア給付プログラム2.0には出生促進効果があると、子ども関連の情報を取り扱うBoomは主張しています。
TSMCの従業員であれば、職場のすぐそばに非常に質の高い保育サービスを無料で利用できます。また、TSMCは従業員が子どもを持つことを支持しており、「親になることがキャリアに悪影響を与えることはない」と定期的に従業員向けに発信しているそうです。
他にも、TSMCの本社がある新竹市の新竹サイエンスパークは、台湾のシリコンバレーと呼ばれており、台湾で最も平均世帯収入が高く、ベビーブームが起きている地域としても知られています。新竹市のある新竹県は、14歳未満の人口が65歳以上の人口を上回る台湾で唯一の県で、住民の90%が新竹サイエンスパークで働いており、14歳未満の人口が人口の29%を占めています。なお、台湾全体でみると14歳未満の人口は全人口の11.9%しかありません。
なお、TSMCは従業員の合計特殊出生率を公表していません。しかし、TSMCの本社が存在する新竹県の児童扶養率は台湾で最も高い「27.7%」で、台湾の首都である台北市の「16.4%」や新北市の「19.7%」を大きく上回ります。