ロードマップは決めきるべきじゃない。「売れない」から脱出するために、PdMがやるべきこと【エムスリー山崎聡】
「楽じゃないが売れる」プロダクト開発に必要不可欠なのは「プロダクトのロードマップを、あえて決めきらないこと」
新しいビジネスを始めるときは往々にして、確実に売れる仮説など立てられません。運よく正しい仮説を立てられたとしても、世の中や顧客、また組織が変化して状況が変わることもある。だから、「これに沿っていれば売れる」と断言できるロードマップを決めきり、その通りに成功する確率は、極めて低いと言えるでしょう。
そして、一度仮説として定めたロードマップに沿って開発を進める中で、仮説検証して学んだ結果を、ロードマップに反映することなく進んでしまえば、重要な課題を見落とし、途中で現れた新たな勝ち筋を見逃してしまいます。これがつまり「楽だけど売れない」という状況なのです。
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kayato.icon ②→①のプロセスは受託開発からニーズ見つけてソフトウェアに落とし込んでいくアプローチ
重要なのは、ユーザーに刺さってから次の手を考える、ということです。
先に広範囲すぎるビジョンをつくってしまうと、目指す最終形態と現在との距離が遠すぎて、具体的な計画を立てたくなり、結果的にロードマップもガチガチに固定されてしまいます。
「拡張可能な世界観」は、マルチプロダクト戦略にも通じると思います。
「拡張可能な世界観」について話し合う場合、議事録は取らない方がいいかもしれません。議事録を取ると、一貫性バイアスがかかって、「一度こう発言したから」と別のことを言い出しにくくなる可能性があります。