モジュラーブロックチェーンの役割
共有された取引データを元に、残高等のストックデータ(State)がどのように変化するのかを計算する。 ②で計算された最新のStateをネットワーク参加者(Validator)全員で検証し、多数決によって確定する。
次に、この3機能それぞれについて、分散性がどれだけ必要かを考えます。
「①データ共有」は分散性の必要度は中程度。
中央集権的な管理システムだと特定のユーザーの取引を拒否したりすることができてしまうため、ある程度の分散性は必要です。
「②計算処理」は分散性の必要度は低いです。
なぜなら、計算結果は③確定によって検証されるため、計算者が結果をコントロールすることはできないからです。障害耐性があれば、集中してても問題ないでしょう。
「③確定」は最も分散性が必要とされる過程です。
もし誰かに権限が集中してしまうと、その権力者が好きな計算結果を選べるようになってしまいます。だからここが最も分散性を必要とするブロックチェーンの核心なわけです。
ということで、「②計算処理」は分散性はそこまで必要ではないので、
「だったら計算処理は高速な中央集権システムに外注しても良くない?」
そして、計算処理が膨大であっても、その結果を簡単に検証できるやり方も2つ見つかりました。それがOptimistic とZk の2方式なわけです。 したがって、②計算処理を外注して高速化しても、この2方式により高速ではない分散ネットワークでも検証できるため、③確定は分散性を保つことができるわけです。
「計算処理機能のみを高速な中央集権システムに外注したチェーン」
なのであり、
「①データの共有」 や 「③確定」はイーサリアムのメインネットを使うため、ユーザーはイーサリアムと同様の透明性と安全性を得ることができるわけです。