メルカリの「仕様書駆動データ分析」が拓く、コンテキストエンジニアリングの最前線
メルカリの「仕様書駆動データ分析」が拓く、コンテキストエンジニアリングの最前線|Mercari Analytics Blog
2025年7月、AmazonがAIコーディングツール「Kiro」をリリースして以来、エンジニアリングの世界では「仕様書駆動開発(Spec-Driven Development)」というアプローチが注目を集めています。Kiroは、AIにコーディングをさせる前に、まず要件定義・設計・実装計画を文書化する仕組みを特徴としています。
実は、メルカリには2023年から「Analytics Design Docs(ADD)」という独自の分析設計フレームワークがあり、日々の業務で活用してきました。最近では、このADDをAIにレビューさせる試みも増えています。
1. 背景・前提
・この分析は誰の、どのような意思決定に貢献するのか?
・その意思決定者とはどの程度前提を共有できているのか?
・過去の類似分析や参考となる資料はあるか?
2. 課題・ゴール
・分析から答えが出ることで、事業や顧客の課題解決など打ち手に繋がるか?
3. 仮説
・現時点で答えが分からなくても、課題に対するストーリーラインを言語化し、検証項目を明確にできているか?
4. 分析設計
・事業課題を、分析可能な粒度の「分析課題」に分解できているか?
・その分析課題に、実際の分析手法で答えを出すことは可能か?
5. 分析結果
・分析結果は、設定したそれぞれの課題に直接的に回答できているか?
・その結果から、具体的な次の行動に繋がる示唆は得られるか?
0. note.md
・背景となる会議の議事録やSlackなどの会話の記録
・MCPなどと組み合わせれば自動取得することも可能
1. requirement.md
・要件定義・分析設計
・Analytics Design Docsの「分析設計」までのチェックポイントに対応
2. design.md
・技術設計・実装仕様
・データ分析に使用する中間テーブルの設計
3. task.md
・result.mdの可視化の設計
4. result(.md)
・分析結果・可視化
・可視化とコーディングがセットになっている
・Notebook(Jupyer/R/Quarto/marimoなど)の想定
5. report.md
・ステークホルダーに見せる最終成果物
PdM