フォン・グライアーツ氏: すべての紙幣の価値は最終的にゼロに向かってゆく
すべての紙幣は最終的にはその本質的な価値に帰ってゆく。つまりゼロだ。
ヴォルテールは1729年にそう書いた。
それは歴史上繰り返し起こってきた。ローマ帝国ではデナリウス硬貨が銀100%からほぼ0%になった。 厳密にはもともと純銀だったデナリウス硬貨の銀の含有量は最低で2.5%まで落ちている。
デナリウスはローマ帝国の主要な銀貨であり、紀元前211年頃に初めて発行されました。当初、デナリウスは非常に高い銀の含有量を持っていましたが、ローマ帝国の財政問題が深刻化するにつれて、政府は硬貨の銀の含有量を減少させました。 特に3世紀に入ると、インフレは急速に進行しました。皇帝たちは戦争や公共事業の資金を調達するために硬貨を大量に発行し、銀の含有量をさらに削減しました。結果として、デナリウスの実質的な価値は急激に下がり、物価が上昇するインフレが発生しました。
それは硬貨だけでなく紙幣でも同じことである。紙幣とはもともと銀行にゴールドを預けた時の預かり証のことだった。
だが1971年、アメリカ政府は国民から預かっていたはずのゴールドは返さないと宣言した。これがニクソンショックである。 ゴールドに比べなくても、物価指数と比べたとしてもドルの価値は大幅に下落している。ニクソンショックのあった1971年のドルの価値を100として、物価変動によって目減りした今のドルの価値を計算すると、グラフは次のようになる。
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フォン・グライアーツ氏は次のように言っている。
政府が支出を増やしすぎ、多すぎる負債を抱えて通貨が暴落する。
歴史上それは間違いなく起きる。これまでに生き残った通貨は存在しない。