ケイデンスとリズムの違い
開発の「リズム」という言い方でなく、わざわざ「ケイデンス」という単語を使うケースをよく目にするので、違いを調べてみました。
「リズム」と「ケイデンス」の辞書上の違いはハッキリしたものではない。が、「ケイデンス」は周期性がより強調されたものを指す。
ケイデンスはリズムではあるが、すべてのリズムがケイデンスではない。
という包含関係がある、という見方がしっくりくる。ケイデンスは軍隊の行進や自転車のRPMのような一定のサイクルを示す。
ケイデンスの例
https://www.youtube.com/watch?v=c8-XkPJXhCw
ケイデンスではないリズムの例
https://www.youtube.com/watch?v=b_W1tapG_g4
スクラムが「リズム」という言葉を使わずに「ケイデンス」という言葉を使うのは、スプリントをチームメンバーみんなで歩調を合わせて進めることを強調するためである。
「かんばん」と「スクラム」の違い
スクラムではスプリントがケイデンスを形作る。メトロノームのようなものだ。
作業の単位はユーザストーリーである
ユーザストーリーがスプリントにスケジュールされる。
ユーザストーリーは1スプリントで完成させれる大きさでなくてはならない。
進行中のストーリーは2つに制限する
ユーザストーリーが、スプリントにぴったり収まるとは限らない。時間が余ることがある。
リリースはスプリントごとに行う。
https://gyazo.com/e55a13cf33d0452b2ec00369f6dd34f1
かんばんは、ケイデンスでなく複雑なリズムをもつ。
作業の単位はMinimal Marketable Feature
可能な限り小さくする必要があるが、スケジュールに合わせる制約はない。
プランニング、レビュー、ふりかえり、リリースのすべてが定期的に行われるが、それらは分離されていてよい。
これらをそれぞれ独立して、異なるテンポで実施できる。
https://gyazo.com/9f04b5b374bd33d3f12b2cf78188749a
もちろん、これは定義上の話であって、実践するのにどちらを選ぶというものではない。ただ、スクラムの一定のタイムボックスを使うケイデンスは、スタート地点としては実践しやすいので、そこから初めて、おのおののイベントの周期性をふりかえりを元に変えていくのが良いと思われる。