ソフトウェアエンジニアからR&Dエンジニアになった
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本題と無関係な戯言だがソフトウェアエンジニアを全てカタカナで書くと「ア」と「エ」の間が微妙に居心地悪くてスペースを空けるか空けまいか毎度迷い、毎度空けない。
C向け新規事業を作るチームに所属しペコペコキーボードを叩いてGoやTypeScriptを書きつつプロダクトを作ってきた。
ジャパニーズ伝統的カンパニー四天王の一角みたいな企業ではあるのだが「社員だけでフルスタックにコード書いていこうぜ!」みたいなノリを数年やれたのは非常に有り難い。
プロダクトの成長や事業にウンウン悩みながらモノ作りもするSWE、二足のワラジとまでは言わないが、なかなか貴重な体験ができたと思う。
当時の上長には頭が上がらない。
6年目の途中からR&Dな部署に異動、現在はR&Dエンジニアを自称しつつお仕事している。 同じモノ作りと言えどプロダクト作っていた頃とはガラリと変わり、近い未来をイメージしながらアイデアを打ち出し、実現に向けた技術開発やら探索やら研究やら発明を行っている。
最近、今更ながら読んだ暦本先生の妄想する頭 思考する手にもあるような、ワクワクする「クレーム」を打ち出し妄想を具現化するために検証を積み重ねる仕事、みたいなまとめ方ができそうな気もする。 SWE当時はWebな技術しか触ってなかったが、今はAIやら3D、XRみたいなクリエ〜ティブな技術ばかり使っており、使う道具からも仕事の変化を推し量れる。
プロダクト作りではGitHubでスター数が多かったり各種エンジニアから言及の多い「検証された」技術を取り入れる場合が多く、その理由は明確でありお客様に価値を提供する以上ロバストネスな強さが都合良いからである。
一方R&Dエンジニアなお仕事では、大学生活以来に新規性を求められるわけで、まだ見ぬフロンティアな技術を探し求める。
プロダクションコードとプロトタイピングの対比とも言えるし、既知を極めていく方向性と、未知に飛び込んでいく方向性の違いとも言えるかもしれない。
SWEやってた頃は、技術者はプロダクト作りに携わるのが世界で一番幸せだと思っていた。
しかし数年かけてプロダクト作りの酸いやら甘いやらを一回りした上で、ふと我に返る瞬間があったのは否めない。
技術トレンドに食らいつきキャッチアップしメチャクチャにコードを書いて開発しても、最先端な技術を取り入れても、突如プロダクトに羽が生え空を飛び始めることはないし求められてもいない。
体験を少し良くしたり機能改善したりサービスを少しずつ少しずつ磨き上げるのがSWEの本懐である。
もちろんそうした積み重ねがユニコーンを生み出す石の上にも三年だとは思う、とてつもなく重要な仕事だと理解しているし楽しかったが、学生時代から意味もなくクリエ〜ティブな業界に憧れたからこそ、技術に宿るイリュージョンでワクワクしたい想いが久方ぶりにフツフツと湧き上がってしまった。
この不安というのは面白い事に、非常にポジティブです。日々の業務の中でただ「良いコードを書く」「より内部品質・外部品質の高いソフトウェアを開発をする」「よりxxxなチームビルディングに貢献する」だけであればそこに何の不安や迷いはないわけですが、長年ソフトウェアエンジニアをやってきた人間がいつまでもその目線でいて良いのか?という疑問があって、それに対して「良くないんじゃないか?」という回答をちゃんと持っているからこそ不安が生じるのです。
具体的なまとまりのない文章になってしまったし特に結論はない。駆け出しR&Dエンジニアな気持ちを記録しておく。
折角色々な技術を触れるのだから、クリエ〜ティブなモノ作りを行っていきたいものである。
もしかするとまた数年したらプロダクト作りに携わりたいナアと言ってるかも知れず、こんな秋の空の移り気で良いのだろうか。