職業としての小説家
村上春樹の職業観、小説家についての独自の見解を述べた本。この本の中で知的生産者として気になった章は二つ。 第七回 時間を味方につける - 長編小説を書くこと
第八回 どこまでも個人的でフィジカルな営み
時間を味方につける - 長編小説を書くこと
朝早く起きてコーヒーを温め、四時間か五時間、机に向かいます。
長編小説を書く場合、一日に四百字詰原稿用紙にして、十枚見当で原稿を書いていくことをルールにしています。(中略)もっと描きたくても十枚くらいでやめておくし、今日は今ひとつ乗らないなと思っていても、なんとかがんばって十枚は書きます。なぜなら長い仕事をするときには、規則性が大切な意味をもってくるからです。書けるときは勢いでたくさん書いちゃう、書けないときは休むというのでは、規則性は生まれません。
村上春樹は小説家を芸術家という側面よりも職業、仕事として捉えている。そこで重要なのは規則性だと言っている。 朝決まった時に起き、決まった時間に小説を書き、概ね決まった枚数を書く。そして午後は、運動や音楽を聴く。要はメリハリをつけているのだろう。これは学部、修士の時もできていなかった。できる日はやるしできない日は何もしないみたいな。夜やり続ける日もあるし、朝しかやらない日もある。結構これは集中がしづらいというのは前々から感じていたので、村上春樹なスタイル、自分にあったスタイルを見つけ出したい。
どこまでも個人的でフィジカルな営み
長編小説家にせよ、短編小説かにせよ、継続的な作業を可能にするだけの持続力がどうしても必要になってきます。それでは持続力を身につけるためにはどうすればいいのか? それに対する僕の答えはただひとつ、とてもシンプルなものです。 - 基礎体力を身につけること。逞しくしぶといフィジカルな力を獲得すること。自分の体を味方につけること。
というように村上春樹は、毎日一時間程度のランニングでフィジカル面をトレーニングしていた。それは知的生産の持続力のためでもあるという。実際筋トレを継続しているときと、筋トレをできていない習慣では集中のメリハリが違うと感じることが多々ある。そしてそれ以上に、運動は不安感といった集中を妨げる要素を消してくれるように思える。彼がいうようにフィジカル面を鍛えることが脳をうまく使うことに繋がると信じて運動していきたい。まぁ運動は気持ちが良いしね。 https://gyazo.com/afcb350c0282bbaa3b275c6252bb2e1d