[レポート] ニュー・フィールドワーク京都編 #9 2024.10.19
リサーチ17日目。雨。川の水が多く、流れが強い。流れに逆らって泳ぐ鴨が一羽。水面に線が浮き出る。今日はロームシアター京都中庭にステージエリアがつくられ、屋内外でパフォーマンスが行われている。鳩はそれぞれに雨宿りしつつも、屋外ステージにまでやってくる強者もあり。餌を求めてなのか、人混みができていたから覗いてみたのか。
https://gyazo.com/9597aaa5224fe89f41bbcaae9b78f163
屋外ステージにやってくる鳩たち
夕方、先日KEXチラシ屋台に配架したマップの「⑤?」の場所に出入りする鳩を2羽発見する。後ろ足・お尻・尾の部分のみが見える。何をしているのか。寝ている?
https://youtu.be/yusOpEM-IsY
おまけ
京都編の実施をきっかけに、方々から鳩たちの情報が寄せられた。他国の鳩や国内の観光地の鳩の様子、鳩の珍しい行動について、見た目に特徴のある鳩等。最近鳩がいると注目して見るようになったという声とともに届けられることも多かったように思う(ありがとうございます)。
どの情報も興味深かったのだけど、こちらでひとつご紹介。情報提供者は平岡久美さんです。ありがとうございました。
京都にある「文化と産業の交流拠点(旧富岡鉄斎邸跡)」の屋根上の飾り瓦の鳩。「鳩瓦」というらしい。
https://gyazo.com/e5dba263341ae73b579337099f547e83
https://gyazo.com/0b856825d2fd69fdff1a8b15a41ff870
https://gyazo.com/9f966b0a2f99556c56a0beda83db1abd
最後の文人画家として知られる富岡鉄斎の旧邸宅をリノベーションし、「文化と産業の交流拠点(仮称)」として、この春に開設された場所。施設利用可能な部屋もある模様。
屋根の上に2つ、まるで本物の鳩がとまっているように飾られている。「文化と産業の交流拠点(仮称)」では、2羽が背を向けた状態で飾られており、また一直線上にとまっていないことから、番(つがい)ではなく親子鳩を模した飾りかと思われる。
この「鳩瓦」には色んな意味があるらしく、ある一説では「平和」「家内安全」とも言われており、また、山の神として鳩を捉え「豊穣」や「山の安全や平穏」などの願いが込めて設置しているという説もある。そうかと思えば、神の使いとして、神に様々なことを報告したり、神意を伝達・宣伝をしたりすると信じられていた説もあるのだそう。
改めて街中を気をつけ見回すと、種々のレリーフやお菓子に至るまで、鳩をモチーフにとった物は意外と多い。「平和」という文字が付けられていることもあれば、納税の象徴として扱われることもある。
https://gyazo.com/08ddc177475b4086bb2b3f5866a337b4
東京都港区浜松町駅前にて2024年春に撮影
「広げよう納税の輪」の碑
地球儀に乗る鳩と納税という文字が一体何を意味しているのか気になって思わず撮影した写真
戦時中には情報伝達のために鳩が用いられていた歴史もあり、「人と鳩」の関係性に焦点をあてると、また異なる物事が見えてきそうだ。日常生活に溶け込みすぎている鳩モチーフを、今一度観察する事で、人々がどのように「鳩」という存在を捉えてきたか垣間見れるかもしれない。
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